2016年12月16日更新
TOEICの問題形式が2016年5月度の試験より変更になりました。
これまで、多くの方にTOEIC関連の記事を読んでいただきましたが、変更に伴い改訂いたしました。
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さて、
『TOEICの問題が変わってどうなるの?』
公式情報を元に検証していきたいと思います。
先に結論だけ言うと、勉強方法を大きく変える必要はないですが『読解スピードの向上と、より実践的な英語力が必要』となってきます。
TOEIC公式サイトでは、
TOEICテストの全体的なクオリティや難易度、テストの実施方法にも変更はありません。
となってますが、果たして…
それでは、TOEIC出題形式の変更内容と、その影響、対策について解説します!
TOEIC出題形式 変更内容まとめ
昨年、TOEIC公式サイトで以下のプレスリリースがありました。
TOEIC|プレスリリース|2015年度|ETSは、TOEICテストの出題形式を2016年5月に変更します
まず、この記事に沿って、変更点の概要と各問題の内容を振り返ります。
リスニングパートの変更点
【Part 1】写真描写問題 10問→6問に削減!
写真に対して4つの英文が流れ、最も最適な描写をしている1文を当てる問題です。
聞く英文が短く、難易度が低いため、初心者にとっては痛い変更です。
しかし、上級者にとっては万々歳ではないでしょうか。理由は後ほど。
【Part 2】応答問題 30問→25問に削減!
【例題】Why did you move the old files to new external hard disk drive ?
ー (A) My laptop clashed.
ー (B正解) I just followed the instruction from my supervisor.
ー (C) To make my afffiliate ads more profitable.
といった問題のように、英語の質問(疑問文じゃないことも)に対する、最適な答えを導く問題です。
Part 1とPart 2は、重要単語のみに集中するなど、”コツ”で、ある程度得点できる部分です。
こちらも、初心者の得点源なので悲鳴が聞こえてきそうですね。
【Part 3】 会話問題 30問→39問に増加!&3人会話追加!
一番大きく変わったのはPart 3です。
これまでは2人の会話文に対し、最適な描写を当てる問題でした。
Part 3では問題数が増え、会話が3人になる問題も出現します。
さらに、省略形(going to → gonna)の使用など、より実際の会話に近い問題になります。口語表現が増えるということですね。
英単語や会話の内容が難化するわけではないですが、 TOEICのための勉強しかしていない人はキツイでしょう。
【Part 4】 説明文問題 変更なし
英語の文章を聞いて、それに対する問題が出題されます。
変更点は示されてないですが、こちらも、口語表現が使われる前提で勉強しましょう。
リーディングパートの変更点
【Part 5】短文穴埋め問題 40問→30問に削減!
【例題】I went to the restaurant (—–) the most popular blogger recommended.
ー(A) where
ー(B) to which
ー(C正解) that
ー(D) what
語彙や英文法の問題を中心とした短文穴埋め問題(例題は過去記事から引用)です。
こちらもリーディングセクションでは得点源にしてる人も多いですが、10問削減となりました。
【Part 6】長文穴埋め問題 12問→16問に増加!&文章で穴埋め追加!
実はPart 6が穴になります。
Part 5の穴埋めが長文になっただけのパートですが、注意点は穴埋めに単語・熟語ではなくフレーズを使う問題が追加されるということ。
より読解力と読解スピードが問われますね。
穴埋め前後の文脈だけではなく、文章全体を捉える読解力が必要となってきます。
【Part 7】 文章読解問題 48問→54問に増加&3文章問題が追加!
問題数の増加に加え、トリプルパッセージの問題が出現します。
読解力がこれまで以上に問われるということですね。
Part 6とPart 7は確実に難化です。
問題形式変更の影響と対策、参考書など
この項では、問題形式変更による影響を考察していきます。
簡単に言うと『難化』
全体的な難易度に変更はないとありますが、正直『難化』ですよね。
各セクションの最初のパートの問題数が削減され、長文系の問題数が増えます。
”正答率”を維持するためには、これまで以上の集中力、読解力が必要となりますね。
ただし、TOEICは正答率がそのままスコアになるのではなく、試験毎に受験者の正答率が統計処理されます。
試験の難易度や、受験者の平均レベルが補正されますので、同じレベルの人が受験すれば、誤差範囲内で同等のスコアになる”はず”です。
つまり、難しくはなるものの、スコアはあまり変わらないはず。
さて、痛い目を見るのは誰でしょうか…?
一番困るのは”TOEICだけ”勉強してる人
問題形式の変更によって、スコアが低下するのは、
『TOEICのための勉強しかしていない人』
です。
今回の出題形式変更を『上級者は万々歳』と言いました。
というのも、ある程度英語力がある人は、長文の方がスコアを取りやすいはずです。
Part 1や Part 2だと、1単語聞き逃したら終わりなんてこともあります。
TOEICの英語が聞き取れないことはほぼ無いのですが、少し集中力がかけるだけで致命症…
しかし、長文だと全体を理解すれば大体解けるので、少し意識が飛んでもなんとかなるんですw
しかし、就活等で急にTOEICスコアが必要になった人は…
- TOEICに出てくる英単語、英熟語だけを覚え…
- TOEICに頻出の英文法だけ押さえ…
- リスニング能力ではなく、”コツ”で回答し、
- TOEICの綺麗な会話文のリスニングしか出来ず…
- 旧TOEICの時間感覚を体に染み込ませている…
こういう付け焼刃の英語力で、TOEICのスコアを取っている人は、痛い目を見るでしょう。
旧形式の問題数、問題形式、英会話でしか勝負できない勉強をしているからです。
TOEICだけ頑張る『なんちゃってガチ勢』ですね。
スコア獲得だけが目的である、TOEIC600〜800の中級者に非常に多いです。
このタイプだと、問題数や問題形式の変更は大ダメージでしょう。
逆に、TOEIC800を超えてくると、さすがに付け焼刃の英語力では難しくなります。
今回の形式変更も、ある程度対応できると思いますので、”ソーシャルゲームのアップデート”ぐらいの感覚ではないでしょうか?
新しい参考書を1つ買えば問題ないでしょう。
新TOEIC対策と勉強法、参考書
実践的なリスニング能力
リスニングに関しては、特に勉強法を変える必要は無いと思います。
“短縮語や口語表現が使われる”とありますが、旧形式のTOEICでも、会話文に口語表現はちょいちょい登場していますからね。
単語だけで解答を推測するような”コツ”ではなく、しっかりリスニング能力をトレーニングしている人は、問題ありません。
ただし、『慣れ』という意味では、最新のテキストを使用する方が良いでしょう。
新形式対応のTOEIC公式テキストが発売されていますのでおすすめです。
僕も問題集は公式テキスト中心です。
その他のテキストも新形式対応の問題集に置き換わっています。
【関連記事】新TOEICを完全対策!新発売のおすすめ問題集、参考書徹底レビュー!【新形式対応】
時間感覚の修正
時間感覚は、TOEICのリーディングパートでは必須です。
僕は基本的に、5分残して解くようにしてます。
- Part 5と6は、25秒/問
- Part 7は、1分/問
の計算です。
旧形式だと70分(四捨五入)ですが、新形式だと73分になります。
思ったより変わらないですが、少しタイトになります。
速読能力をつけるか、Part5を20秒/問で解くよう意識していきましょう。
読解スピードの向上
長文問題数の増加、および”3つの文書”が出ることを考慮すれば、時間内に読む文書量は確実に多くなります。
長文読解が苦手な人は力を入れて勉強していきましょう。
逆に長文の方が得意な人はラッキーですね。
英文法や単語の難易度は変わらないため、これまで通りの参考書で問題ありません。
おわりに
TOEICの始まりは1979年、問題形式が変わったのが2006年ですから、10年ぶりの問題形式変更です。
『TOEICで英語力が測れるのか?』
昔からの課題でした。確かに『改善』にはなると思います。
少しずつTOEICの価値を向上していかないといけませんもんね。
『実践的な英語力との乖離』と『初心者向けのテスト』を両立するのは難しいかもしれません。
今でもTOEICのスコアが様々な場所で使われるのは事実です。
受験を考えている人は、しっかりと対策していきましょう!
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コメント
はじめまして。
現在大学2年生でTOEIC770の者です。
就活までにTOEIC900点とりたいのですが、毎日リーディングとリスニングそれぞれ時間的にどれくらい勉強するべきでしょうか?
id:norweigianwoodさん
コメントありがとうございます。
あと1年あるなら、リスニング、リーディングともに必要な項目(関連記事にまとめております)を30分ずつやれば十分だと思います。
ただ、模試を解くときは通して解いて時間感覚を覚えつつ、制限時間より早く解き終われるようにした方が良いと思います。
頑張ってください。
>こういう付け焼刃の英語力で、TOEICのスコアを取っている人は、痛い目を>見るでしょう。旧形式の問題数、問題形式、英会話でしか勝負できない勉強>をしているからです。TOEICだけ頑張る『なんちゃってガチ勢』ですね。
付け焼き刃で「ない」英語力があるなら、TOEICのスコアを目指さずに、英語で実際のビジネスで勝負をして下さい。問題を試験の形式にしてもらっている時点で、関係者は全員「なんちゃって」に属していると思います。実際の相手は、英語を使ってくれるのでしょうか。
>逆に、TOEIC800を超えてくると、さすがに付け焼刃の英語力では難しくな>ります。
この水準に達しているならば、TOEIC対策にコストや料金を支払うよりも、研究やビジネスを始めることで、料金を得る側に回ったほうが良いと思います。どうでしょうか。