TOEFL受験の基礎知識: iBTとITPの違いや難易度、活用シーンを解説します

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就活や昇進など、日本では様々なシーンで使われるTOEIC。
しかし、実践的な英語能力を測る試験にはTOEFLが活用されています。

主に留学を目指す学生が受ける印象が強いですが、TOEFLの種類(iBT、ITP)や用途、難易度等についてしっかりと把握できているでしょうか?
大学入試への導入も検討されており、実際に高得点者が優遇される大学もあります。

基礎的なリスニング、リーディングのみで構成されるTOEICに疑問を抱く層も多く、今後はTOEFLの導入も各所で拡大していくと考えられます。

今回は、実際にTOEFL受験経験がある僕が、各試験の難易度と特徴、活用シーンについて解説していきます。

TOEFL受験の足がかりとして、基礎知識を確認しておきましょう。

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TOEFLとは?

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TOEFLの基礎知識

TOEFLの主な目的は、非英語圏の人間を対象に、英語圏の大学の入学に必要な英語力を判定することです。
ネイティブ基準のテストなので、TOEICと比較すると非常に難易度が高いです。

TOEFLでは、iBT(internet-based test)と、ITP(institutional test program)という2種類が実施されています。

基本的にTOEFLといえば前者のiBTを指し、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4項目を判定されます。
後者のTOEFL ITPはマイナーですが、日本では大学院入試大学のクラス分けなどに使われています。

紙ベースでの試験であるPBT(paper-based test)や、iBTの前段階にあたるCBT(computer-based test)もありますが、現在は廃止されています。

 

TOEICとの違い

簡単に言うとTOEFLはTOEICよりも『難しい』かつ『実践的』です。
TOEICハイスコアラーがことごとく撃沈しているのがTOEFLです。笑

TOEFL iBTの一番の特徴は、TOEICには無いスピーキングライティングの試験が実施される点です。
単語や文法も『ネイティブレベル』かつ『アカデミック』なので、日常会話レベルのTOEICとは格が違います。

一般的なTOEICとTOEFL、英検のスコア換算表を簡単に作り直してみました。

TOEIC TOEFL iBT英検
990点満点120点満点
990+1111級
880100
80088準1級
73080
600622級
45045準2級

これはあくまでも目安です。
TOEICスコアが高くても、スピーキングやライティングが苦手な人は換算表よりTOEFLの点数が低くなるはずです。その逆パターンもありますが、日本人では少ないですね…。

僕が初めてTOEFL iBTを受験したのは、大学3年時です。
後期に半年ほどオーストラリアに留学したかったのですが、交換留学の条件がTOEFL iBT86点以上だったのです。
前期までで卒業要件をほぼ満たしていていたので(フル単)、休学はしてませんよ(^p^)

その時の僕の英語能力はTOEIC865、英検準1級です。

正直、勉強しないでもなんとかなるだろうと受けた初めてのTOEFLの結果は…

74点!

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正直、80点は取れるだろうと思っていました。
2年次にも短期留学の経験があり、英会話にも通っていたので、それなりに自信があったんです…。

結局TOEFLの勉強を追い込み、2回目の受験で88点を取れたので、無事交換留学の条件は(ギリギリ)満たせましたが…

TOEICや英検とは全く違うテストに戸惑ったのを覚えています。甘く見すぎましたね。

みなさんがこんな状況に陥らないように、TOEFL iBTとITPについて詳しく解説していきましょう。

 

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TOEFL iBT

試験形式と申し込み方法

TOEFL iBTは指定のテストセンターで受験します。

試験科目は、

  • リーディング
  • リスニング
  • スピーキング
  • ライティング

の4科目です。各科目30点満点で、合計120点満点となります。

各科目の内容については後述します。

試験時間はテスト毎に変わってきますが、大体4時間程度です。
TOEICの2時間と比べてかなりタフな試験ですね。英語力だけではなく、集中力の維持も重要です。

 

申し込み方法と受験費用

申し込み期限は7日前までです。40ドルを追加で支払うことにより、4日前でも申し込みが可能になります。
TOEICと異なり、かなり直前まで申し込みが可能です。

TOEFL iBTは世界各国で行われるテストで、受験費用は米ドル基準となっています。
2016年9月時点で、日本での受験費用は230ドル(約23000円)です。
支払いには基本的にクレジットカードが必要で、VISAやJCB、MasterCard、American Expressなど、メジャーなクレジットカードには全て対応しています(一部の国ではVISAのみ)。
僕が受験した時は円高でもう少し安かったのですが…。
TOEICと違いかなり高額なので、記念受験者が少ないテストなのです

TOEFL iBTは、公式HPでアカウントを作成して申し込むことができます。

【リンク:TOEFL iBT: 登録/申込

郵送でも可能ですが、登録期限の4週間前必着となるので注意しましょう。

ちなみに、書類や申込フォームは全て英語なので、記入事項を理解できない人は諦めましょう。TOEFLのレベルに達していません。

 

試験科目と内容

各科目の特徴を簡単に解説します。

  1. リーディング
    3つの長文を60分、または4つの長文を80分の制限時間で読み、設問に回答します。1パッセージ20分以内で解答することが目安です。1パッセージの長さは約700単語でで、設問は12〜14問です。設問自体は単語の同意語を問うなど、ありきたりな形式です。
    TOEFL初受験の人が戸惑うのは、単語や文章の難易度というよりも、内容がアカデミックである点です。
    地学や生物学、心理学等のトピックを読み解かないといけないので、英語に強いビジネスマンでも手こずります。逆に論文を読み慣れている大学生、大学院生は稼ぎ所です。
  2. リスニング
    大学生活が舞台となっています。教授の講義や学生間のディスカッションなどを聞いて設問に答えます。
    TOEICと違い、ハキハキとわかりやすく話してはくれません。識者や大学生の設定であるため、キツイ方言などはありませんが、完全なネイティブの英語です。
    リスニング中はメモを取ることが可能です。特に講義セクションでは800単語程度の講義を聞くことになるので、キーワードを忘れないようにメモしておきましょう。
  3. スピーキング
    初受験の時は勘違いしていたのですが、誰かと会話するわけではありません。お題に沿った答えを録音したものが採点材料になります。
    お題は
    『学校を辞めようとしている友人にどうアドバイスしますか?』
    といったものや、会話文を聞いて、それに対する意見を言うものです。
    発音や文法、会話のスピード、答え方の起承転結など、総合的に判定されます。
  4. ライティング
    『外食と自炊、どちらが好きですか?理由とともに自分の意見を述べなさい』
    といった二者択一の問題や、講義と会話文を聞き、それに対するオピニオンを記述する問題があります。
    スピーキングと同様、文法や単語選択の正確性、文章全体の構成など、総合的に判断されます。
    講義に対するオピニオン(Integrated Task:20分)では200単語以上、お題の返答を書く問題(Independent Task:30分)では300単語以上が目安となっています。正確な文章でも、最低単語数に満たないと減点対象になるので注意しましょう。

 

活用シーン

TOEFL iBTは元々『英語圏の大学に留学するための条件設定』が目的でした。 アジア人だけではなく、世界中の大学生が留学するためにTOEFL iBTを受験します。

日本では、入試での優遇措置英語の単位免除など、大学への導入も進んでいます。

また、就職活動でも十分通用する資格です。
TOEFLは、TOEICのような『ゲーム』とは異なり、実践的な英語能力をかなり正確に測れるテストです。85〜90点程度取れていれば、外資系企業や、海外展開をしている企業では就職活動でも高い評価となります。

僕も仕事で面接官になることがありますが、TOEIC900点だと『すごいねぇ』で終わりますが、TOEFL iBT100点と言われたら、『マジすか!?』って思います。笑

TOEICと違い、スピーキング、ライティングの能力も証明できるのは大きなメリットです。

 

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TOEFL ITP

基本的にTOEFLと言えばiBTを指しますが、団体向けの試験であるTOEFL ITPも大学への導入が進んでいますので、簡単に解説しておきます。

試験形式

試験はリスニングリーディング、そしてTOEICのPart5に類似の文法問題で構成されます。スピーキングとライティングはありません。
マークシート式の試験で、iBTと類似した試験形式ですが、比較的簡単なトピックを扱っています。
試験時間は2時間以内なので、TOEICに近い感覚で受験できますが、内容はiBTと同様アカデミックレベルなので、難易度はかなり高いです。

大学等が団体で申し込み、郵送された問題を元に試験を開催しますので、申し込み方法は場合により異なります。

公式サイトに例題が掲載されていますのでご参照ください。

【リンク:TOEFL ITP Assessments: Sample Test Questions

活用シーン

大学で英語学習の一環として用いられている場合が多いです。一部の進学校では授業に取り入れている高校もあります。

TOEFL iBTの前の力試しとして活用できるかもしれませんが、留学を目指す方は普通に最初からiBTを勉強すべきです。

僕がITPを勉強していたのは、外部枠で東大の大学院入学を考えていた時期があったためです。東大では工学系、農学系の院試でTOEFL ITPを導入しています。
ちなみに、色々あって結局東大の院は受けませんでした。苦笑

上位大学では英語のコース分けに用いられる事も多く、論文作成力の基礎作りにも活用できますよ。

 

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おわりに:TOEFLをスコアアップさせる方法

TOEIC、TOEFLの他にIELTSや英検、ケンブリッジ英検など、様々な英語の資格があります。
日本では『実践的な英語能力』を判定する上で、もっともメジャーな試験となっており、リスニング、リーディングの基礎しか測れないTOEICに替わって、大学やビジネスシーンなどでの導入も増えてきています。

本格的に英語能力を鍛えたい人は、TOEICを卒業してTOEFLにもチャレンジしてみましょう。

筆者がTOEFLをスコアアップさせた方法は、以下の記事でまとめています。
効率的にハイスコアを目指していきたい人は是非ごらんください!

TOEFLおすすめ参考書・問題集セクション別まとめ:留学基準スコアを満たすiBT80点突破法を解説します

TOEICのぬるま湯では味わえなかった刺激が楽しめますよ!それでは