公害防止管理者・水質1種は独学で十分合格可能です。目安は理系・メーカー勤務者なら150~200時間程度、排水処理や化学の知識がほぼない人なら200~300時間ほど見ておくと安心です。私は理系大学院卒・食品メーカー勤務というバックグラウンドで、約半年・約200時間勉強し、5科目を同年度に合格しました。
ただし「過去問だけ暗記して短期間で取る資格」ではありません。
特に、
汚水処理特論
水質有害物質特論
の2科目は範囲が広く、ここで苦戦する人が多いと思います。
この記事では、実際に水質関係第一種公害防止管理者に合格した経験から、
- 難易度
- 必要な勉強時間
- 独学での勉強法
- 科目ごとの攻略法
- 過去問は何年分必要か
- 計算問題の対策
- 2026年度試験情報
- 最新のおすすめ参考書・問題集
までまとめます。
- 結論|公害防止管理者・水質1種は独学で受かる
- 2026年度の公害防止管理者試験情報
- 水質1種の試験科目は5科目・合計75問
- 公害総論|広く浅く覚えて落とさない
- 水質概論|問題数が少ないので1問のミスが重い
- 汚水処理特論|水質1種の勉強時間の中心になる
- 水質有害物質特論|私が最も苦労した科目
- 大規模水質特論|比較的取りやすいが油断は禁物
- 最新合格率から見る水質1種の本当の難易度
- 公害防止管理者水質1種の勉強時間は150~200時間が目安
- 独学で合格するための勉強法
- 計算問題は「全部取ろう」としない
- おすすめ参考書①「新・公害防止の技術と法規 2026 水質編」
- おすすめ問題集②「2021~2025年度 正解とヒント 水質関係」
- 公式テキストが難しい人には「超速マスター第6版」
- 科目合格制度は便利だが、一発合格を狙いたい
- 食品メーカーで公害防止管理者が役立つ理由
- 危険物取扱者・食品表示検定との難易度比較
- まとめ|最初に過去問を1年分解いて現在地を確認しよう
結論|公害防止管理者・水質1種は独学で受かる

先に私の結論をまとめます。
| 項目 | 私の評価 |
|---|---|
| 独学 | 十分可能 |
| 勉強期間 | 4~6か月推奨 |
| 私の勉強時間 | 約200時間 |
| 初学者の目安 | 200~300時間程度 |
| 理系・関連業務経験者 | 150~200時間程度 |
| 最重要教材 | 公式テキスト+公式過去問題集 |
| 過去問 | 最低5年分 |
| 最難関科目 | 水質有害物質特論 |
| 計算問題 | 頻出問題を取って難問は深追いしない |
| 一発合格 | 十分狙える |
私はバイオ系の大学院修士卒で、微生物や分析についての基礎知識はありました。
一方、受験当時は排水処理設備の主担当ではありませんでした。
その状態から、
勉強期間:約半年
総勉強時間:約200時間
です。
ペースとしては平日週4日ほど1~2時間、休日は3~7時間程度。
毎日勉強したわけではなく、意図的に休む日も作っていました。
200時間あれば、かなり余裕を持って合格圏まで持っていけるというのが私の感覚です。
2026年度の公害防止管理者試験情報
2026年度の国家試験は2026年10月4日(日)に実施済みです。
2026年度の申込期間は7月1日9時~7月31日17時、試験日は10月4日でした。2027年度の日程は、次年度の公式発表を確認してください。
| 項目 | 2026年度 |
|---|---|
| 試験日 | 2026年10月4日(日) |
| 申込期間 | 7月1日9時~7月31日17時 |
| 申込方法 | インターネット |
| 水質関係第1種受験料 | 12,300円・非課税 |
| 受験資格 | 年齢・学歴等の制限なし |
| 試験地 | 札幌・仙台・首都圏・愛知・大阪・広島・高松・福岡・那覇周辺 |
| 合格予定者速報 | 11月中旬予定 |
| 正式な合格発表 | 12月15日予定 |
受験料12,300円、受験資格に年齢・学歴等の制限がないことも産業環境管理協会の2026年度実施要領で確認できます。
2026年度の合格基準について
ここは注意が必要です。
公害防止管理者試験は、その年度の正式な科目合格基準を試験前に確定公表しているわけではありません。試験後の試験員委員会で決定されます。
直近の2025年度は、
各科目60%以上
が科目合格基準でした。必要な全科目に合格すると区分合格です。
したがって勉強するときは60%ギリギリではなく、私は過去問で安定して70~80%を取れる状態を目標にすることをおすすめします。
水質1種の試験科目は5科目・合計75問

水質関係第一種では5科目を受験します。
| 科目 | 問題数 | 私の自己採点 | 主観的難易度 |
|---|---|---|---|
| 公害総論 | 15問 | 12/15 | ★★☆☆☆ |
| 水質概論 | 10問 | 7/10 | ★★★☆☆ |
| 汚水処理特論 | 25問 | 21/25 | ★★★★☆ |
| 水質有害物質特論 | 15問 | 14/15 | ★★★★★ |
| 大規模水質特論 | 10問 | 8/10 | ★★☆☆☆ |
| 合計 | 75問 | 62/75 | ― |
現在の公式過去問題でも、公害総論15問、水質概論10問、汚水処理特論25問、水質有害物質特論15問、大規模水質特論10問という構成です。
ここからは、私が実際に受験したときの感覚を含めて説明します。
公害総論|広く浅く覚えて落とさない
公害総論は、
- 環境基本法
- 公害防止組織
- 環境問題
- 環境管理
- 国際環境協力
などが範囲です。
私の自己採点は、
12点/15問
でした。
基本は暗記科目です。
公害防止管理者の別区分にも共通する科目なので、ここは確実に取っておきたいところ。
一方で最新の環境統計や制度変更も絡むため、10年前の参考書を使うのはおすすめしません。
2026年版の公式テキストか、少なくとも現行法令に対応した教材を使ってください。
水質概論|問題数が少ないので1問のミスが重い
水質概論は水質汚濁防止の法規だけではありません。
水質汚濁の現状、発生源、汚濁機構、影響、行政による対策まで含まれます。
私は、
7点/10問
でした。
合格はしましたが、5科目の中では得点率が最も低かった科目です。
10問しかないため、仮に60%が合格基準なら4問落とした時点でかなり厳しくなります。
「簡単そうだから後回し」は危険です。
汚水処理特論|水質1種の勉強時間の中心になる
私が水質1種で最も「勉強量が多い」と感じた科目です。
範囲は、
- 汚水処理計画
- 物理化学的処理
- 生物処理
- 排水処理設備の維持管理
- 水質測定
など。
問題数も25問と最多です。
自己採点は、
21点/25問
でした。
活性汚泥、凝集、沈殿、ろ過、中和、各種分析など、排水処理の基本をかなり広く勉強します。
食品工場の排水処理に関わる人なら、この科目が最も実務に直結するでしょう。
食品メーカー勤務者には理解しやすい部分も多い
食品工場では、
糖質、たんぱく質、脂質などの有機物を含む排水や、製造設備・配管の洗浄排水が発生します。
そこで重要になるのが、
BOD・COD、pH、SS、生物処理、汚泥管理
といった考え方です。
製造や品質保証の仕事をしていると「なぜ工場側が排水負荷を下げろと言ってくるのか」が、この資格を勉強するとかなり理解しやすくなります。
単なる資格試験ではなく、食品工場全体を見るための基礎知識として役立つ科目です。
水質有害物質特論|私が最も苦労した科目
私が一番苦手だったのがこれです。
自己採点は最終的に、
14点/15問
でした。
結果だけ見ると余裕ですが、勉強中は5科目で最も不安でした。
約200時間勉強したうち、感覚的には100時間近くを水質有害物質特論に使っています。
理由は出題範囲の細かさです。
有害物質ごとに、
「どの処理法を使うか」
「どの分析法を使うか」
「どんな化合物を生成するか」
「どの条件で沈殿するか」
などを覚える必要があります。
私は「物質ごとの比較表」を作った
この科目は文章を何回読んでも覚えにくかったため、
有害物質 → 処理方法 → 分析方法 → 重要数値
という形で整理しました。
似た処理方法を横並びにすると記憶しやすくなります。
この科目だけは「なんとなく理解した」状態では危険です。
数字や化合物名まで含めて覚える必要があります。
大規模水質特論|比較的取りやすいが油断は禁物
私は、
8点/10問
でした。
範囲は、
- 水質汚濁物質の挙動
- 処理水の再利用
- 大規模設備の水質汚濁防止対策
などです。
5科目では比較的勉強しやすいと感じました。
ただし問題数が10問しかないため、難しい計算問題が1問出るだけでも影響は大きいです。
「簡単だから勉強しない」ではなく、頻出問題は確実に取れる状態にしておきましょう。
最新合格率から見る水質1種の本当の難易度
最新の確定結果である2025年度を見ると、水質関係第1種は、
受験者6,041人、合格者2,821人、合格率46.7%
でした。
「思ったより簡単では?」
と思うかもしれません。
しかし内訳を見ると印象が変わります。
| 2025年度水質1種 | 合格率 |
|---|---|
| 科目免除あり | 65.1% |
| 科目免除なし | 22.9% |
| 全体 | 46.7% |
つまり、初めて5科目を受ける人に近い「免除なし受験者」の合格率は22.9%です。
これなら、私が受験した頃に感じた「簡単ではない」という感覚とも一致します。
国家資格として極端な難関ではありませんが、無勉強や数週間の詰め込みで合格できる試験でもありません。
公害防止管理者水質1種の勉強時間は150~200時間が目安

私の場合は約200時間でした。
ただし必要時間はバックグラウンドによってかなり変わります。
| バックグラウンド | 私が考える目安 |
|---|---|
| 排水処理の実務経験あり | 100~150時間 |
| 化学・生物系の理系出身 | 150~200時間 |
| 理系だが水処理経験なし | 180~250時間 |
| 文系・化学知識ほぼゼロ | 200~300時間以上 |
私自身は理系大学院卒で、食品メーカー勤務。
微生物や分析の知識はあったので、汚水処理特論の生物処理・分析部分は比較的理解しやすかったです。
その反面、有害物質処理の細かい化学知識にはかなり時間を使いました。
独学で合格するための勉強法
私なら現在受験する場合も、基本方針は変えません。
テキストを最初から全部暗記してから過去問へ進む方法はおすすめしません。
最初に過去問を見てください。
STEP1|まず過去問を1年分解く
まだ何も勉強していなくても構いません。
最新年度の過去問を1年分だけ解いて、
「何が分からないのか」
を確認します。
おそらく最初は全然解けません。
それで正常です。
目的は点数ではなく、
試験が何を聞いてくるのか知ること
です。
STEP2|公式テキストを一周する
次に公式テキストを読みます。
この段階では完全暗記する必要はありません。
「この分野から、こういう形で問題が出る」
と過去問と結びつけて理解します。
STEP3|過去問5年分を2~3周する
過去問は最低5年分を推奨します。
公式の最新問題集も2021~2025年度の5年分を収録しています。
私は、
1周目:解説を読みながら理解
2周目:自力で回答
3周目:間違えた問題だけ再演習
という進め方をおすすめします。
10年分を1回ずつ解くより、まず最新5年分を繰り返す方を優先します。
計算問題は「全部取ろう」としない
水質1種では計算問題も出ます。
特に汚水処理特論では、排水量、濃度、負荷、処理効率などを扱う計算を理解する必要があります。
私が意識したのは、
難しい計算問題を全部解けるようにすることではなく、頻出パターンを確実に取ること
です。
計算問題は、
- 単位をそろえる
- 与えられた数値を書き出す
- 何を求める問題なのか確認する
- 過去問と同じパターンに当てはめる
という順で処理します。
公式を丸暗記するだけだと、数値や条件を変えられた瞬間に解けなくなります。
逆に、極端に難しい計算問題が1問だけ出た場合は、私は深追いしない方針です。
公害防止管理者は各科目で満点を取る試験ではありません。
取れる問題を落とさないことの方が重要です。
おすすめ参考書①「新・公害防止の技術と法規 2026 水質編」
2026年時点での本命です。
『新・公害防止の技術と法規 2026 水質編』
産業環境管理協会が発行する公式教材で、
公害総論、水質概論、汚水処理特論、水質有害物質特論、大規模水質特論
を網羅しています。
2026年1月発行、全3冊・1,192ページ、税込11,000円です。
値段も厚さもなかなかですが、私は一発で確実に受かりたいなら公式教材を使う派です。
法改正や統計があるため、中古で何年も古い版を買うのはおすすめしません。
おすすめ問題集②「2021~2025年度 正解とヒント 水質関係」
もう1冊はこれです。
『2021~2025年度 公害防止管理者等国家試験問題 正解とヒント 水質関係』
最新5年間の問題が収録された産業環境管理協会の公式問題集です。
税込6,050円で、2025年度問題まで収録されています。
私なら、
公式テキスト+この公式過去問
を基本セットにします。
むやみに参考書を増やす必要はありません。
なお、2026年版公式テキストと最新「正解とヒント」には正誤表も公開されています。購入後は産業環境管理協会の正誤情報も一度確認してください。
公式テキストが難しい人には「超速マスター第6版」
公式テキストは内容が非常に詳しい反面、初学者には重いです。
「まず全体像を理解したい」という人なら、
『公害防止管理者 水質関係 超速マスター 第6版』
も選択肢です。
2026年4月発売の現行版で、テキストと問題演習を1冊にまとめています。
ただし私なら、
超速マスターだけで終わらせず、最終的には公式過去問を必ず解く
という使い方にします。
科目合格制度は便利だが、一発合格を狙いたい
公害防止管理者には科目別合格制度があります。
現在の制度では、同じ試験区分を受験する場合、科目合格した年を含め3年間、申請によりその科目の試験を免除できます。
旧記事では「2年間免除」と書いていましたが、現在の公式説明では「合格年を含め3年間」と表現されています。
制度自体は非常に便利です。
ただ、私は可能なら最初から5科目一発合格を狙うことをおすすめします。
翌年に回すと、仕事が忙しくなったり勉強内容を忘れたりして、意外と再スタートが大変だからです。
食品メーカーで公害防止管理者が役立つ理由

私は食品メーカー勤務者ですが、この資格は食品工場と非常に相性が良いと思っています。
食品メーカーで環境負荷が問題になる代表例が排水です。
原料そのものが、
糖質、たんぱく質、脂質、有機酸、塩類
などを含むため、製造ロスや洗浄水が排水に入れば負荷が高くなります。
しかも工場では、
製造
↓
洗浄
↓
排水処理
↓
放流
まで全部つながっています。
商品開発や生産だけを見ていると、この後工程はなかなか見えません。
公害防止管理者を勉強すると、
「原料を排水に流すとなぜ問題なのか」
「洗浄条件を変えるとなぜ排水処理設備に影響するのか」
「BODやCOD、pHを工場がなぜ管理しているのか」
といった工場全体の仕組みが理解できます。
品質保証、生産技術、工場マネジメント、環境管理を目指す人にはかなり実務的な資格です。
危険物取扱者・食品表示検定との難易度比較
私が取得してきた資格の中で比較すると、公害防止管理者水質1種は、
危険物取扱者甲種より明らかに勉強量が多い
と感じました。
一方、食品表示検定は食品法規、危険物取扱者は化学・消防、公害防止管理者は工場環境というように、身につく知識が違います。
食品メーカーでキャリアを作るなら、
工場・生産・環境 → 公害防止管理者、危険物取扱者
品質保証・表示 → 食品表示検定
食品衛生の基礎 → 食品衛生責任者
という組み合わせが分かりやすいでしょう。


まとめ|最初に過去問を1年分解いて現在地を確認しよう
公害防止管理者・水質1種は独学で合格できます。
ただし5科目合計75問で、暗記・法規・排水処理技術・化学・計算までかなり広い試験です。
私の場合、
勉強期間:約半年
勉強時間:約200時間
で5科目を合格しました。
特に時間を使ったのは水質有害物質特論。
これから受験するなら、
公式テキスト+最新5年分の公式過去問
を軸にするのが私のおすすめです。
そして、この記事を読んでから最初にやってほしいのは、参考書を最初から読み始めることではありません。
まず公式過去問を1年分だけ解いてください。
20点しか取れなくても問題ありません。
そこで、
「法規が弱い」
「排水処理が全く分からない」
「計算だけ解けない」
という現在地が分かれば、必要な勉強時間と優先順位が見えてきます。
そこから5年分の過去問を繰り返し、安定して70%以上を取れる状態を作る。
これが、水質1種を独学で一発合格する最短ルートだと考えています。
主な一次資料
一般社団法人産業環境管理協会「2026年度 公害防止管理者等国家試験実施要領」
一般社団法人産業環境管理協会「2025年度 公害防止管理者等国家試験結果」
一般社団法人産業環境管理協会「国家試験の問題と正解」
一般社団法人産業環境管理協会「新・公害防止の技術と法規 2026 水質編」


コメント
こんばんは(^_^)ノ
この度は、読者登録していただきまして、ありがとうございましたm(__)m
それにしても、英語以外にも
いろいろ勉強されていて、すごいですね!
ブログも、読み応えがあって・・・楽しませていただいています。
これからも頑張って下さい!
どもども。
資格はあって損するこたーないですからねー。
完全な雑記ブログで読み応えの無い記事も続々と更新予定です!ありがとうございます!
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