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『牛乳、ヨーグルト、チーズの違い』を栄養と健康面から解説してみる

グルメ・食品科学
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まいど!ヨーグルト大好きみるおかです!

 

さてさて、今回は少し幅を広げて『乳製品』についてお話しします。

 

『牛乳』

『ヨーグルト』

『チーズ』

 

普段、僕たちが口にする乳製品はこんなもんでしょうか?

アイスクリーム等もあるけど、今回は発酵食品である『ヨーグルト』『チーズ』に焦点を当てて…

 

とりあえず乳製品は栄養が高くて、ヨーグルトやチーズは発酵食品だから健康??

 

……

 

実は、これら3つの乳製品の特徴は似て非なるもの。

食品メーカー勤務の身として、全く異なる食シーンで口にすべきものと考えます。

 

『牛乳』『ヨーグルト』『チーズ』とは何か?

栄養は?

健康は?

 

今回はそれぞれの乳製品の『栄養成分』『長所と短所』について簡単にお話ししていきます。

 

【目次】

 

牛乳の基礎

【参考書籍】牛乳とタマゴの科学 完全栄養食品の秘密 (ブルーバックス)など

【参考論文】Calcium bioavailability and absorption: a reviewなど

【参考サイト】公益財団法人 骨粗鬆症財団明治の食育|株式会社明治など

牛乳の栄養成分

まず、乳成分の栄養成分をグラフで!

 

栄養成分を羅列してもパッとこないと思うので、

 

『成人男性が1日に必要な栄養素を、1食分【牛乳1杯(200mL)】でどれだけ摂取できるか』

 

を踏まえて見てみましょう。

これは『栄養充足率(%)』とも言います。

たんぱく質、脂質、炭水化物、あとミネラルとビタミンの一部を載せておきますね。

 

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参考:日本食品標準成分表(文科省)、日本の食事摂取基準(厚労省)から、みるおかがグラフ化しました。

(注)摂取基準は項目によって表現が異なる。今回は厚労省データにおける18〜29歳男性の目標量(脂質、炭水化物、カリウム)、目安量(リン、VD、VE)、必要量(その他)より引用、または算出。

 

こんな感じ!

例えば、たんぱく質の栄養充足率13.6%っていうのは、

『牛乳1杯で、1日に必要なたんぱく質  (50g) の13.6% (6.8g) が摂取できますよー』

ってことです。

栄養成分の数値をズラーッと並べるよりわかりやすいっしょ!?

 

牛乳の特徴は、何と言っても、水分87%程度の液体にも関わらず、栄養源が豊富であることですね。

加えて、たんぱく質からビタミン、ミネラルまで、多種の栄養素を一気に摂取できます。

 

カロリーあたりの栄養素の量『栄養素密度』が非常に高い食品です。これは卵なんかも該当しますね。

特にカルシウムの摂取に関しては、非常に優れています。

 

ただし、食物繊維は含まれていません。ここは少し詳しく…

  

牛乳の長所と短所

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長所は、前項の通り、豊富な栄養素を一気に摂取できます。栄養過多と言われることもあるくらい…

 

しかし、鉄分ビタミンE等は少なく、食物繊維はゼロですので、これらは別の食品から摂取する必要が有ります。

 

ただし、食物繊維が無いというのは、栄養源の吸収という面ではプラスに働くことがあります。

 

この記事でもお話ししましたが、食物繊維には腸内の有害物質以外にも、カルシウム等のミネラルも吸着してウンコとして排出してしまう働きがあります。

あ、あくまで一部なので、根こそぎカルシウムを持ってくわけではないのですが。

 

そのため、食物繊維を持たず、微量栄養源が豊富な牛乳は、『カルシウム等のミネラル』の吸収効率が非常に高いのです。

概ね牛乳のカルシウム吸収率は約40%

少なく見えるけど、小魚(約30%)や野菜よりも高いんです。

 

なお、『牛乳は消化に悪いのでカルシウムを吸収できず、骨粗鬆症になりやすい』等の科学(笑)もありますが、科学的な根拠に基づいていない意見と書いておきます。

牛乳に含まれるCPP(カゼインホスホペプチド)ラクトフェリンはカルシウムの吸収や、骨への沈着を高めることが報告されています。

 

ただし、やはり問題となるのは『乳糖不耐症』ですね!

はい僕です。下すよねー!

牛乳の炭水化物は、ほぼ乳糖だけですが、含有量は4%前後です。

乳糖は、ヒトの消化管で分解され、加えて腸内で善玉菌の栄養源となるのですが、乳糖を分解する酵素は大人になるにつれ減少していきます。

もちろん、人によって度合いが変わってきますので、下す人とそうでない人がいるのです。

 

これが下痢を引き起こすのですが…

長くなるので、いつか『乳糖不耐症と下痢のメカニズム』の記事を書きます。

 

大人になっても乳を飲むのって人間だけですからね!

そう考えると、『乳糖不耐症』の大人がいるのも不思議じゃないでしょ?

 

牛乳の食シーン

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元乳業メーカーの人間としては、やはりバランスの取れた栄養補給に優れているので、普段の食事に取り込んでいくことをオススメします。

牛乳に関しては、この項目は割愛気味で。

ヨーグルト、チーズの話にいきましょう。

 

ヨーグルトの基礎

【参考書籍】発酵乳の科学―乳酸菌の機能と保健効果など

【参考サイト】過去記事見て!

ヨーグルトの栄養成分

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こんな感じ。

基本的にヨーグルトは牛乳に乳酸菌(と砂糖)を入れるだけなので、栄養成分は牛乳とあまり変わりません。 

脱脂粉乳とかで成分調整したり、ハードヨーグルトゼラチンで固めたりしますけどね。

 

ここでは、『加糖タイプのスタンダードな飲むヨーグルト』の栄養成分を持ってきました。

砂糖が入っている分、炭水化物がアップして、その他が相対的に減少しまーす。

 

ヨーグルトの長所と短所

繰り返しでアレですが、この項目は過去記事見てくんなまし。

ここに書いてない項目を下記で補足していきます。 

 

ヨーグルトの食シーン

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栄養成分が似通ってるなら、牛乳との差別化は?って話ですが、やはり、

『乳酸菌と、乳酸菌の生産物質を摂取できること』

に尽きます。

腸内環境の改善に関しては、ヨーグルトなんですよ(^p^)

 

あと、『乳糖不耐症』に関して…

過去記事で『ヨーグルトは下痢とは相性が良くない』と書きました。

 

まず、牛乳の乳糖を約4.5%とすると、乳酸菌が分解してヨーグルトになっても3.5%くらいまでにしか減らないのです。

(みるおかの商品開発データより)

だから、『牛乳よりマシだけど、下痢になっちゃう人もいる』ってこと。

 

『乳酸菌は乳糖を分解できるから、ヨーグルトは大丈夫?』

って意見ですが、乳酸菌は胃腸の冒険中に、ほぼ死にますし、乳酸菌由来の酵素も、ほぼ分解されますからね。

 

しいて言えば、

 

  1. ヨーグルト等の摂取で、腸内環境が改善される
  2. 乳酸菌を初めとした腸内細菌による乳糖の分解が促進
  3. 元々の乳糖の減少分と併せて、乳糖不耐症による下痢の発生が、牛乳飲用時より低減される

 

というストーリーなら腑に落ちます。 

上記の作用が優勢になれば、『下痢が改善』とも感じられるでしょう。

あるいは、『乳糖不耐症ではなく、腸内環境の悪化等が原因の下痢』であればヨーグルトで改善方向に動くかもしれません。

 

チーズの基礎

【参考書籍】プロフェッショナル・チーズ読本: プロが教えるチーズの基本知識から扱い方までなど

【参考論文】Chemistry and Biochemistry of Cheese など

【参考サイト】蔵王チーズ工場ーナチュラルチーズ製造技術マニュアルなど

チーズの栄養成分

チーズは種類が多すぎるので、まずはメジャーなゴーダチーズを。

そのまま食べるのはもちろん、様々なプロセスチーズの原料に良く使われます。

『チーズの種類と特徴、食べ方』についても、いつか書きたいな!

 

たまにスーパーとかで食材用のミックスチーズありません?

アレにも良く入ってます。オランダのナチュラルチーズね!

 

 

ゴーダチーズの栄養成分はこちら!

チーズは、普段食べそうな量として『50g』で換算しました。

牛乳とヨーグルトの『200mL』と量を変えたので注意。

 

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チーズは、製造工程でほとんどの乳糖が水分*1と一緒に除去されます。

別に乳糖除去が目的じゃないんですが。

そのため、『牛乳の栄養源を濃縮しつつ、乳糖不耐症も心配無し』でございます。

 

ただ、ヨーグルトには砂糖が入っているのに対し、チーズは製造工程で食塩を添加します。

特にゴーダは『ナトリウム』のグラフを見ると分かるように、塩分濃度*2が高く、食べ過ぎは塩分過多になるので注意。

 

もういっちょメジャーな『モッツァレラチーズ』だとこんなグラフになります。

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モッツァレラはゴーダより水分高め*3なので、栄養分の濃縮率が下がります。

塩分濃度(ナトリウム、カリウム)も低めっすね。

種類によって全然違うんだ!

 

ちなみに『50g』ってこれくらい。

 

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これは僕の私物のモッツァレラチーズです。僕の冷蔵庫は乳製品だらけ。

ちゃんと計量してカットしましたよ!

おつまみとか、おかずの一品なら、こんくらいの大きさで良いですよね?

 

チーズの長所と短所

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『諸刃の剣』って感じかな?

 

バランスの良い牛乳の栄養素が高度に濃縮されているので、少量で幅広い栄養素をカバーできます。

特にカルシウム!

僕はチーズはカルシウム摂取に関してはベストな食材と考えます。

 

ただし、上述の通り、塩分取りすぎに注意!

チーズの種類ごとの水分量や、塩分量も加味して選んだ方が良いですね!

 

ちなみに『ナトリウムの過剰摂取はカルシウムの排泄を引き起こす』という現象もありますが…

生理学はちょっと専門外なので、偉そうには言えませんが、さすがに前の章にも書いた『乳製品で骨粗鬆症』はぶっ飛びすぎ。

牛乳のナトリウム量は大したことないですし、食全体の食塩量に配慮した方が賢いと思いまっせ。チーズはちょっと注意が必要だけど。

 

チーズの食シーン

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チーズは乳糖も無く、かつ乳酸菌の発酵食品という、良いとこ取りって感じ?

ただ、発酵の進みは、チーズの方が緩い*4です。

製造工程で加熱させたり、熟成・乾燥させるので、乳酸菌は”ほぼ”死滅しますしね。

 

個人的には、いわゆる『乳酸菌の働き』を期待するならやっぱりヨーグルト。

栄養面ではチーズに分があると考えます。

 

まぁ乳製品なので、腸内細菌の餌としてはバッチコイですし、下痢の心配も少ない。

『ヨーグルトじゃお腹グルグルなるけど…』

って人におすすめですね。

 

そしてチーズはやっぱり『嗜好品』ですかね。

僕はカビ系はカマンベール以外ダメなんだけど(特に青カビ系は臭くて無理)、ゴーダとか普通のナチュラルチーズは大好きっす。

僕の中では『栄養豊富な嗜好品』って結論です。

 

 

おわりに

こう見ると、同じ乳製品でも様々な特徴がありますね。

 

それぞれの特徴を把握しておけば、様々な食シーンで、自分に最適な乳製品を取ることができます。

乳製品に限ったことじゃないですが。

 

僕は、健康オタクでも、トンデモ科学クラスタでもないので、なるべく中立的に食の良し悪しを書いていければと思います。

興味があれば是非寄っていってください。

 

 

 

それにしてもあれだなぁ…

 

 

ヨーグルト食べたくなってきたなぁ!!

 

 

 

みるおか

*1:乳清、またはホエイという。プロテインのホエイタンパクはコイツから作る

*2:食塩は”塩化ナトリウム”ですからね

*3:ゴーダは熟成期間が長いので乾燥する

*4:チーズをヨーグルトと同レベルまで発酵させるとデロンデロンにトロけてしまう