メンタルが弱く仕事も出来ない部下を劇的に改善したマネジメント方法を公開します

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こんにちは、新米主任です。
以前、職場の女性陣20人に対しての処世術を書かせて頂きました。

【関連記事】 熟女20人を部下に持つ僕の『お局様マネジメント術』

この記事には、工場のお局20人の他に『気の弱そうなメンズの若手正社員』が登場します。
このメンズ君…結構問題点を抱えていまして…。

本職(商品開発・企画)と違う所でこき使われている悲しい新米主任ですが、今回はこのメンズ君1人に焦点を当てた指導方法について書いてみます。

 

 

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マネジメント対象について

部下のスペックと業務

  • 工業高校卒24歳(7年目)の正社員
  • 製造現場スタッフ(製造ライン作業、機械保全)
  • 地方採用で転勤無しの一般職扱い

ある製造ラインのリーダーを任されているが、スキル、リーダーシップが不十分で、パートのお局達の『言いなり』となっている現状。業務に関する知識面は女性陣より秀でているが、要領が悪い ≒ 丁寧だが仕事が遅い。
実績ではなく、『1年の契約社員を経て正社員登用という慣習』により昇格した形。
給与面で非正規社員(女性パート)より恵まれているが、スキルが足りず反感を買っている様子も散見される。 

本来、この現場のリーダーは彼だが、現場をまとめきれず製造ラインを上手に回せないので、僕が定期的に補佐に入っている。
(補佐という形だが、僕が代わりに指揮を取らざるを得ない状況)

 

長所と短所

【性格・行動面】

  • 丁寧で真面目な性格。与えられた業務は責任を持ってこなす姿勢がある。
  • 仕事の『正確性』は高いが遅い。
  • 正直で嘘をつかない。冗談を間に受けやすい。
  • 強く言われると引いてしまい、自分の意見を出せなくなる。気が強い上司に質問が出来ない性格。叱られて泣きそうになる場面も。
  • 人に気を使いすぎて受動的。主体的に動けない。
  • 交代勤務で早番(5:30出社)だとたまに遅刻する。

【スキル面】

  • 優先順位を立てられない。複数の仕事を並行すると、何かを忘れがち。
  • 指導、注意すると、しばらくパフォーマンスが改善されるため、能力自体は低くないが、長続きしない。
  • 自己解決型で突っ走りがち。仕事の出来上がりに依頼者とギャップが生じやすい。 

…困った君です。
能力面より、性格面での問題が大きいですね。正直『正社員レベル』とは言えません。
本来であれば育て上げた上で昇格させるべきですが…慣習と年功序列の弊害ですね。

彼を『正社員レベル』(=現場指揮ができるレベル)にまで引き上げろというのが今回の僕のミッション。

徐々に結果が出始めたので、今回は僕が彼をどのようにマネジメントしていったのか、その記録をまとめています。

 

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仕事面での指導 

1.【脱・マニュアル人間】ルーティンワークの深掘り

製造スタッフはルーティンワークを覚えるとスキルが頭打ちになることが多いです。日々の仕事が、手順を完遂させるだけの『作業』で終わってしまうからです。
スキルが横並びになると、差が出るのは『要領の良さ』『正確さ』など。この点はパートの女性陣が秀でている部分でもあります。

『要領の良さ』など性格矯正が必要な部分は長期的に見つつ、まずはルーティンワークを掘り下げ、スキル面を1段階アップさせることにしました。

ここでの目的は、現場のリーダーとして深い知識広い視野を習得させることです。
例えば、製造条件の根拠となるデータや、トラブルシューティング、販売先の情報・売上まで徹底的に叩き込みました。

指示書に倣うだけで最低限の業務はこなせますが、商品間の差異や、工程条件(温度や時間など)に対して、考えながら業務に打ち込ませる所を最初のステップとしました。脱・マニュアル人間がテーマです。
そこから『改善提案』まで出来るようになれば理想ですが、ここではまだ先の話です。

 

2.『5W1H』意識の徹底

製造現場の簡易手順書は、 

『いつまでに(When)』

『どうやって(How)』

『何をするのか(What)』

の3点で形成されていました。
Whereは決まっているので割愛し、ここに不足しているWhoWhyの要素を組み込みます。
すなわち、彼には、

『誰を使えば、誰に頼めば最適なのか(Who)』

『なぜこの手順なのか、別の方法はないのか(Why)』

など、5W1Hを徹底して考えさせました。
リーダーシップの基礎と同時に、後述の『主体的な業務』に必要な資質の習得も目的です。

  

3.継続と習慣化

彼の特徴について、冒頭ではこう書いています。

  • 指導、注意すると、しばらくパフォーマンスが改善されるため、能力自体は低くないが、長続きしない。

言い換えると『やればできる子』です。
彼の(本来の)上司の問題点は、指導や教育が投げっぱなしでアフターケアが出来ていないことでした。
彼にも責任がありますが、消極的で質問が出来ない性格のため、間違った方向に言っても修正できずに進むクセがあります。

そのため、マネジメントの負荷を少し上げますが、新しい仕事や指示事項が『習慣化』するまでは徹底的にモニタリングします。
考えなくても体が動く状態になるまで、業務状況、部下の思考回路をヒアリングしながら適宜矯正するのです。
『習慣化』した時点が、新しい仕事を与えるタイミングになります。手を広げるのは土台を作ってから。

 

【参考図書】習慣化のノウハウなどを身につけるヒントが盛りだくさんです

4.『指導』から『誘導』へ

上記2項目は部下の意識改革ですが、ここはマネジメント側の対応になります。

基本的な意識改革が出来るまでは、『言われた通りに動いてもらう』ことを最優先します。この時点では0から100までしっかし指示します。
そして、前項の『習慣化』ができた時点で、部下に考えさせ、行動させます。タスクを依頼した後の行動を部下に任せるのです。
ここでの私の仕事は『方向修正』ですね。任せっきりはいけません。 

 セリフにすると簡単ですが、

  • 『次、◯◯やってね』→『次は何するの?』
  • 『誰と誰で回してね』→『今日の人の配置はどうするの?』

のように『指示』による教育から『質問』による教育にシフトします。
『習慣化』できた頃合いを見計らって、刺激を与えながら『思考能力』を鍛えていきます。

 

5.主体的な業務の依頼

ここまで半年弱かけました。

『ルーティンの深堀り→意識改革→思考能力のトレーニング』

このプロセスがある程度達成できた時点で、当初の目標としていた『改善提案』を要求します。
彼には『製造現場の効率化』をテーマに1つ考えてもらいました。

成果よりも『自分発信の仕事を作る』ことを目的としています。内容は正直どうでも良いです。
最初は『作業道具の整頓が行き届いてないので整理してリスト化すべき』くらいの案を自主的に出してくれれば良いやと思っていたのですが、それなりのコストダウン案を出してくれたので少し驚きました!

元々彼は業務に必要な知識は充足しています。
『仕事のプロセス』を叩き込むことによって、主体的な業務を立案する能力を身につけさせる事ができました。

あとはこの能力を『実行』する能力…。
ここからはスキルよりも性格面でのケアが必要になるので、下記のプロセスでマネジメントを進めます。

 

6.マネジメントの『窓口』一本化

ここも4.『指導』から『誘導』へと同じくマネジメント側の対応です。

 

部下が最も困ること。
それは1つの業務に対する指示が複数の人間から降ってくることです。 

『(先輩に言われたことをやったのに、上司に怒られた…)』

 なんて経験ありますか?
下の人間を混乱させるとともに、チーム全体の動きも非効率になります。 

ここでは2つの動きが必要です。

1つは部下への指導・指示に対する窓口を一本化することです。

ここでは僕が窓口になるので、

『彼に指示をするときは僕を通してください。』

という条件を上司に了承させます。

 

もう1つは部下に対して逃げ道を用意すること。
僕も自分の仕事があるので、四六時中彼を見るわけにはいきません。

そこで、僕の指示で動かしている間は、

『何か言われたら”みるおかさんの指示です”と言っといて。』

と伝えておきます。

判断能力が未熟なうちは、下手に自分の考えで返答させるより、上の指示でやったと返答させておく方が、マネジメント側としてもやりやすいのです。
(ただ、全く関係ない責任を押し付けたら怒りますw) 

マネジメントラインは出来るだけシンプルにしましょう。

 

7. リーダーシップを覚えてもらう

スキルを身につけても、発揮できなければ無意味です。
彼の最終目標は現場のリーダーですが、性格上いきなり統率するのは難しい…。
最初は、あやつり人形のように、

『あのラインは人数足りてるから、◯◯さんを別の場所に移して』

など、僕の指示をそのまま部下に言わせます。

しかしお局さんから反撃があった場合、部下は引っ込んでしまいます…
ここでは、

『何か言われたら”みるおかさんの指示です”と言っといて』

の神通力がどこまで通用するかが重要です。

 

僕は今の会社ではかなり仕事が出来る方なので問題ないですが、上司である以上、部下達を圧倒する能力は必須です。
下から認められるように、自分のスキルを伸ばしていくことも重要ですね。

 

【参考図書】部下、後輩とのビジネスコミュニケーションの教科書!

 

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メンタル面での指導

基本は”褒める”ならぬ”認めて伸ばす”

叱られて伸びる人は、”叱られても伸びる”メンタルを持っているだけで、基本は褒めて伸ばすべきなんですよ。
褒めるというより『認める』と言った方が良いかもしれませんね。
何か業務を遂行するたびにフィードバックし、問題なければ承認していきましょう。 

シンプルなことです。
承認欲求は最高や!最高や!

 

【参考図書】ほめる”と言ったらこの本!

月1回のモニタリング

この部下とはプライベートでもソコソコ交流があるのでやりやすいのですが、月1回『ちょっと来いや』タイムを設けています。

仕事の進捗などの状況把握は、対面かどうかで精度が全然違います。
基本的に普段は怒りませんが、この月1回のミーティングだけ説教を解禁してます。
ダラダラと怒ることはやる気の低下を招くと考え、メリハリをつけるように心がけてますね。

本音で『真剣に向き合ってますよ感』を演出

『お前のためを思って…』

 

なんてウザいことは言いませんが、

  • 仕事がキャリアにどうつながるのか
  • 今スキルを身につけないとどんな展開が考えられるのか

客観的に綺麗事なく話すようにしています。

綺麗事かどうかは相手に伝わります。
あえて現実を突きつけた上で、正しい方向へ向かう計画を伝える方が、部下の信頼も得られるのです。
僕は転職経験者なので、やりたいことがあればいつでも辞めてもらって結構だと思っています。なので自分の職場に関しては綺麗事なく伝えます。
その先に自分のイメージが無ければ、大人なんだから好きに判断すれば良いのです。

 

周囲からの評価を上げさせる

ドヤ顔で全て自分の成果のように実績を報告している人を見て、

『(あの仕事俺が手伝ったのに…)』

なんて経験ありますか?
僕はあります。そういう人の仕事は二度と手伝いません。 

この場合は、

『この仕事は◯◯さんにやってもらったのですが』

と添えるのがマナーですよね。 

同じように、部下の成果は名指しで部下がやったと報告します。
『仕事ができない奴』という先入観は、業務の遂行に大きな悪影響を及ぼします。
愚直に仕事に取り組むのも良いですが、仕事とは評価されて初めて成果になるものです。 
『正当な評価』は仕事の対価として与えましょう。

 

【参考図書】仕事を”成果”に結びつけるために…

(おまけ)ペナルティ制の導入

遅刻許すまじ。

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なお全て実行させます。

はやく泳ぎに行きたいなぁ…。

 

あ、ここ半年で遅刻はパタリと消えたのでつまらない…もとい、良かったです。

 

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まとめ

最後に、このプロセスを図示しておきます。

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『主体的に動き、リーダーシップを発揮できるようになる。』

 

当初の目標が達成されつつあるので、その記録をまとめてみました。
僕は、待遇の差を下の人間が不満に思うのは当然だと思います。
僕自身も、上司に対して『僕より上の立場で給料も高いんだから、僕より能力があるんだよな?』って考えで接しているので。
部下に対しても『立場に合う能力は身につけないと、お局達に何言われてもしょうがないよ?』という気持ちはあります。

マネジメントとは、どうやって部下をそこまで導くか…

まだまだ精進です。

 

【参考図書】ビジネスに留まらないリーダーシップの基礎的な考え方

 

【参考図書】この記事の本質が詰め込まれた良書です!

コメント

  1. ain-t-no-majic8120 より:

    あなたの様な上司の元で働きたい。
    むしろ、あなたの元で働きたいです。

  2. stamprally より:

    バンジージャンプしたいわ…