ブラック企業から転職してきた人のマネジメントが想像以上に難しかった件

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僕が今の会社に転職してから5年が経ち、最近はスタッフの管理をすることも増えてきました。
技術職として実験など手を動かしていたことを思い出すと少し寂しいですが、最近はマネジメント業務の面白さを感じています。

ただ、最近手を焼いているのが、数ヶ月前に転職してきた若手。
以前の会社はいわゆるブラック企業で、100時間以上残業していたこともあるそうです。
僕は管理職ではないので、立場的には上司ではなく、OJT担当の”先輩”としてマネジメントに当たっています。

弊社にきて(給料は下がったみたいですが)、残業もほどほどになり、プライベートも充実しているそう。

さて、彼自身はマジメで仕事もできるのですが、ところどころブラック企業の『洗脳』が解けていないな…という部分が…

今日は、彼の実例を元に、ブラック企業に洗脳された人間が転職先でやりがちなミスについてまとめていきます。
ブラック企業から解放されて喜んでいる人…
気をつけないと、自分がブラック企業を生むことになるかもしれません。

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『残業=評価されること』という勘違い

部下に帰ってほしい上司と帰らない部下

やたら残業したがる。

 

彼のマネジメントが難しい理由は、ほぼココに集約されます。

『仕事が終わらない分は残業でなんとかする』

これだけならまだわかるのですが、彼の場合は『基準以上の仕事は終わっているのに、残業して先に進めようとする』のです。

サラリーマンには”残業代で給与を稼ぐ”人もいますが、彼の場合は”仕事を進める”ためだけに残っている様子。

やる気があるとしてポジティブに捉える人もいるかもしれませんが、このスタンスは非常に危険。
会社にとっても、本人にとってもリスクの高い行動です。

まず、管理職にとって、そもそもスタッフの残業時間はマイナス要因。
弊社では、部署ごとの残業時間がみんなに共有されますし、基本的に定時上がりが求められています。

もう1つが、残業ありきで働き始めると、残業時間を含めたスケジューリングが当たり前になること。
計画性がない人間として、彼の評価も下がることになります。

こういった行動のルーツは、彼がブラック企業で洗脳された『残業=評価される』という思想です。
弊社の『残業=最後の手段で、できればやらない方が良いこと』という思想とは大きなギャップがあります。

ことあるごとに残りたがるので、

『あまり残業しないでくださいね。』

と話したのですが、これがまたややこしい問題に…

 

サービス残業を逆オファーしてきた日

『…みんなどれくらい残業してるんですか…?』

『んー、だいたい10〜20時間くらいだと思います。』

 

『じゃあ20時間までは残業つけて良いってことですか?』

 

違う。

 

『残業しないでね』=『残業つけないでサビ残でヨロシクね』と勝手に変換するのもブラック企業出身者にありがちなクセです。

日系企業では、月の残業上限が決められています。
その施策に対して”一定時間以上は残業をつけない”ように対応する企業は案外多いもの。
指示はなくとも、そういう『空気』に自然とスタッフが従っていることも…。

弊社は個人のカードキーを使って退勤時刻を管理されるので、そもそもサービス残業ができないようになっています(※)
(※)打刻だけしてもう一回オフィスに忍び込む手はあるが…

『残業つけないでね』といった時の彼の反応は、

『あー、なるほど。(つけないから大丈夫ですよ^^)』

というもの。

『残業してないテイで動けば良いですか?』
『いやそれだと困るんで…』

と言うループを抜け出すのにしばらくかかりました。

モヤモヤするのが、彼が”会社が大好きで残りたくてしょうがない”というわけではなく、単純に”会社に残る”のがベストな行動だと勘違いしているところ。

この部分を矯正しきれないまま1ヶ月が経ち、また事件が起こります。

 

内緒で休日出勤して激怒される

休み明けに出社した朝、彼は上司にめちゃくちゃ怒られていました。

理由を聞くと『内緒で祝日に出社して仕事をしていた』というもの。
”致し方ない理由で”休日出勤する場合、前もって申請と許可が必要です。
彼の場合は、特に急な仕事もないのに、勝手に休日出勤していました。
しかも、カードキーで出退勤時刻がしっかり記録されているという…

『出勤扱いにしないで良いので…』

と平謝りしたそうですが、

『そういう問題じゃない!』

と火に油。
ついでに僕も指導不足として怒られました。

”良かれと思って”やったことのようで、この時は糸が切れたように落ち込んでしまいました。

 

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ブラック企業から解放されてもメンタルは治らない?

ブラックな環境じゃないと居心地が悪くなる人間

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とりあえず話し合いの場を設けて、

  • 時間内に仕事を終わらせたら帰る
  • 不要な残業は厳禁
  • 前の会社が当たり前だと思わない

と伝えました。

話を聞くと『定時で帰る』ことにソワソワしてしまい、残業していた方が落ち着くし集中できる…とのこと。

今でこそ上手に”抜き方”を覚えたようですが、ハードな環境で感じていたストレスが当たり前になっていた様子。
あまりの落差に、逆に居心地の悪さを感じていたようです。

 

『ブラック企業製造機予備軍』を止めろ

『人件費もかからず、何も言わずにサービス残業して成果を出し続ける人間』

とてもコスパの良い駒にも見えますが、こういうタイプは会社にとっても”爆弾”になります。

人間はなかなか自分だけを見て生きられない生き物。
同じ環境で周りが自分より楽していると、心のどこかで不愉快に思ってしまう…

こうなると『なんで俺が』『お前もやれ』『不公平』というサイクルになりがち。
自己犠牲で頑張っていただけのはずが、いつのまにか周りを巻き込むブラック企業製造機になってしまいます。
少なくとも彼がマネージャーになる前には治してもらいたいところです。

ただ、これも弊社の常識でしかないのがまた難しいところ。
彼が”残業100時間の生活の方が幸せ”と思ってしまえばどうしようもありません。
肌に合わないのであればキャリアチェンジするのも彼の自由…

ブラック企業に洗脳された人が転職によって、各企業にウイルスを感染させるサイクル…

ホワイト企業がブラック企業になるのは簡単です。
しかし、いったんブラックな環境になると、ホワイトに戻すのは本当に難しい。
最近のビジネスニュースを見ていればよくわかります。

 

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ホワイト企業に転職したい人の心得とは

ブラック企業の人はホワイト企業に来るな!というわけではありません。
自分らしい働き方を実現するために、しっかりとキャリア形成していくべきだと思います。

ブラック企業で激務に耐えてきた多くの人は、転職市場で十分評価される実力を持っています。
それなのに、ブラック企業で否定され続けて自分のキャリアに自信を無くしている人も多いのです。
自分の実力やスキルをしっかりアピールすれば、より良い環境はいくらでも広がっています。

僕はいまの環境に満足していますが、いつなにがあるかわかりません。
そのため、いつでも転職できるように、職務履歴書を今でも定期的にブラッシュアップしています。
今の職場には満足していますが、常にどんな選択を迫られるかわかりませんからね!

転職した今でもずっと利用しているのがリクナビNEXTです。
リクナビNEXTでは職務履歴書のテンプレートが充実しているのに加え、実績のアピール方法など、選考を通過するためのコンテンツが充実しています。

単なる転職サイトとして見るともったいないですよ!

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キャリアアップを成功させるためにも、しっかりと実績を積み上げていきましょうね!

 

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おわりに

激務に耐えかねて転職する人はたくさんいますよね。
しかし、”ほどほどに仕事して定時で帰ってプライベートを楽しむ環境”になじめず、『こんな環境じゃヌルい!』とブラック企業に戻ってしまう例も少なくありません。

僕もハードな環境から転職してきたパターンなので、彼の気持ちはわかります。

ホワイト企業に転職して僕に起こった異変をまとめてみた【脱ブラック企業】

ただ、僕の場合は居心地の悪さよりも

ε= \_○ノ ヒャッホーウ!!

という感情の方が強かったので、わりとすぐに馴染めましたね。

『前の会社では』が口グセになっている人は要注意。
このフレーズの数は”居心地が悪い”と感じた数でもあります。
2回も転職していると、こういう思想はだいぶ柔軟になりましたが…。

自分らしい働き方とは何か、考えさせられますね。それでは。