採用担当になった結果『新卒採用なんて適当で良い』という結論に達した

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今の会社に入社して3年目になりました。
キャリア採用のため、最初から一定の裁量権をもらって仕事していますが、上に立ったことがない人間がいきなり部下を持つ立場になったので、色々と試行錯誤しています…苦笑

希望の業界で研究開発職をやっていることもあり、わりと好き勝手に仕事していますが、困ったことが1つ…

採用活動です!

弊社は中途も新卒も募集していますが、僕は昨年から中途採用(不定期)と、技術系総合職の新卒採用にも携わっています。
”採用担当”と言っても僕は人事でも管理職でもないですし、僕が中心となって採用活動を進めることはありませんが、書類選考の一部を引き受けたり、一次面接で質問したり、グループディスカッションを進行、審査したりと、やることは案外多いです…

さて、企業の採用は『新卒採用』『中途採用』に分かれていますが、曲がりなりにも両者に携わった結果…

新卒採用難しすぎィ!

これね。

新卒採用に比べると中途採用なんてシンプルで気楽ですよ、ホントに…

今日は新卒採用の難しさ中途採用との違いについて感じたことを綴っていきたいと思います。

 

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プロが話した『良い新卒』を採用する方法とは

今の会社に入って1年が経過したころ、グループ会社の中堅社員たちと一緒に1週間ほど研修を受けてきました。

”マネジメントや人事、採用に関して…”
”管理職になる上での…”
というありがちな研修です。

採用活動の基礎(就活メディアの活用や関連事務など)はある程度理解できたものの、肝心の『どうやって良い人材を採用するか』についてはなんとも曖昧で…
”面接で相手の本音を引き出すには…”など、トーク術に関しても話されたのですが、

『(でもウソが上手い就活生に当たったら意味ないよなぁ…)』

と話し半分で聞いていました。

だんだん眠くなってきたのですが、研修の講師、すなわち”プロ”が発した言葉で少し目が覚めます。

『実際のところ、新卒の能力やポテンシャル、自社への興味関心を見抜くのは不可能です。』

『”ハキハキ話ができる”など、最低限の能力は判断できますが、結局入社後の教育次第です。』

『また、どんなに業務内容や教育、社員の質、労働環境が優れていたとしても、学生の興味と会社を完全にマッチさせることはできません。』

『だから話していて”感じが良さそう”という軽い気持ちで採用しても良いんですよ。』

『何度も言いますが、新卒の出来不出来の9割は入社後の環境次第なんです。』

身もふたもない。

しかし何も言えない。

軽い気持ちで…というと就活中の学生には怒られそうですが、『そうだよなぁ』としか感じない1シーンでしたね。
前後では採用PRや面接、書類選考、筆記試験などなど…堅苦しい”採用ノウハウ”が語られていましたが、正直印象に残っていたのはこの部分だけ…。

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『指標』が明確な中途採用はラク

話が変わって”中途採用”の話ですが、こっちは楽なもんですよ。
欠員や業務拡大の場面でしか募集しないので、そもそもあまり経験していませんが…2回くらいかな?
それでも『採用の精度』を上げるのは簡単だと感じました。少なくとも新卒採用に比べれば。

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新卒採用と中途採用の違いをざっくり挙げてみました。

まずは自社の志望度ですが、現状の新卒一括採用では、”弊社ガチ勢”から”とりあえず受けてみた勢”まで幅広い層が募集してきます。
対して、中途採用では主に転職エージェント経由で募集しますが、職種や業務内容を絞っていることもあり、ある程度志望度が強く、スキルがマッチしている人しか来ません。エージェントで1次フィルターをかけてくれるのもありますが。

通常のメーカーは新卒を事務系/技術系で、会社によっては研究職・生産管理・商品開発…まで分けることもありますが、そもそも入社後の仕事内容がざっくりしか決まっていないんですから、志望度もある程度ざっくりしますわな!
(その企業に興味があるんだ!という学生もいるけど、入社後のギャップが大きくて挫折しやすい…)

そしてなぜか新卒採用ではタブーとされているのがお金関係!
個人的には入社後に不満が出る方がやっかいなので、僕はなんとも思いませんが、学生が年収や給与について選考で言及するのは禁忌のようです。
(横一線というのもありますが)

中途だと普通に選考で聞かれますよね?

こう見ると中途採用の選考は非常に合理的です。


Q1『当社ではこのような仕事をして頂きます。』

合格『希望通りです。』
交渉『希望に近いですが、詳細まで聞いて判断したいです。』
却下『希望と異なります。』

Q2『この仕事を遂行するスキルはありますか?』
合格『経験があるのでスムーズに対応できます。』
交渉『その仕事の経験はありませんが、類似経験を活かせそうです。』
却下『経験がありません。』


Q3『当社はこの給料を提示いたします。』

合格『希望額に近いので問題ありません。』
交渉『少し希望額に満たないです。この額であれば可能です。』
却下『希望額との差が大きいので、御社では働けません。』

中途採用では、どの質問も意図と判断基準が明確です。
”実務”に関する質問ですから、質問を工夫すれば嘘をつかれても見抜きやすいですしね。

ただし、新卒採用だとスキルや実績はもちろんゼロ。
事務系職種だと、学歴もあまり参考になりません。
『コミュ症の高学歴より元気なバカ』の方が、企業にとって『利益を出せる』人材であることもしばしば。
研究職だと、そのまま”勉強”という意味で『頭が良いか』が仕事能力に直結しやすいので、当たり前のようにエグい学歴フィルターがありますが…

そんな彼らを『ポテンシャル』という言葉で判断しようと言うのは無理がありますよね。
その判断基準が、

『打ち込んだこと』
『挫折した経験』
『自己PRをしてください』

中途でもこのような質問はありますが、”仕事で”と条件を加えることで、リアル感が増し、”指標”としての信頼度も高くなります。

曖昧なものを曖昧な質問で判断するわけですから、新卒一括採用が”茶番”と言われても仕方ありませんね。

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『3社目で理想にたどり着く』って本当?

最初の会社に完璧なマッチングを求めること自体が間違いかもしれません。

僕は今の会社で3社目なのですが、2社目にて『転職組飲み』の最中…

『だいたい3社目で理想の会社にたどり着くらしいですよ。』

という”転職同期”の一言が印象に残りました。

『最初の会社にしばらくいると、外の世界が見たくなるじゃないですか』

『それで今の会社に無いものを持っている会社に転職する』

『でも誰でも少なからず転職後は良くも悪くも”高低差”にギャップを感じてしまう。今度は前の会社にあって今の会社に無いものを探してしまったりとか。』

『2社違う会社を経験して”線を引く”ことで、労働環境や給料のバランス、仕事内容とか…自分の”ちょうど良い立ち位置”がわかるから、理想の働き方を見つけることができるって話です』 

なるほどなぁ…と思いつつ、そんな上手くいくか!?とも思ったり。苦笑
僕はちょうど3社目ですが…果たして…?

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おわりに:新卒は『辞める前提』で採用しても良いんじゃないか

学生に対して、1社目が全てじゃない…とは良く言われますが、企業側も同じ感覚になって良いんじゃないか?というのが今回僕が言いたいことなんですよね。

同研究所(※)の岡崎仁美所長は、「スケジュール変更が落ち着いたことによって、説明会を行う適切なタイミングやライバル企業への対応策などに対して昨年度の知見を生かせるのは大きなメリット。
ただ、売り手市場の傾向がさらに強まり、多くの学生に対して短期間で面接などを行う必要があるため、採用担当者の負担は増える」とみている。
「コストや人員を確保し、短期決戦型の採用活動を乗り切れるかどうかが18年卒の採用活動のカギになる。大企業と中小企業で、納得できる人材を確保できるかどうかで明暗が別れる可能性がある」という。

※リクルートキャリア 就職みらい研究所
出典:18年卒就活、解禁間近 採用担当者の負担は増えそう – ITmedia ビジネスオンライン

我々がすべきは、最高の新卒を採用することじゃなくて、労働・教育環境を整えて、新卒が成長・定着しやすくしつつ、人材の流動化に耐えうる合理化、マニュアル化を進めることでしょうか。
アメリカを見習えとは言いませんが、企業側も新卒採用のハードルを下げつつ、学生側も1社目は『自分の立ち位置を知る』というくらいの気持ちで良いのだと思います。(第2新卒の転職は簡単ですしね)

感情論に終始してしまいましたが、実際に採用を担当すると、学生側も企業側も現状の”新卒採用”に疑問を持ちながらも従っていることがわかります。

目の前に広がるエントリーシートを見ながら感じたことを綴ってみました。

はぁ…

良い人こねぇかなぁ。