僕はアラサーにして今が3社目の会社です。
業界によるかもしれませんが、一般メーカーの研究員ではかなり珍しく、履歴書が汚れまくりです。
若者は3年で辞める!なんて思想の権化ですね。
3社とも全てメーカーなのですが、社風や事業規模など、全くカラーが違う会社でした。
売上が数百億の企業から、売上何千億円のいわゆる大企業に転職して、そして今はささやかな中小企業に在籍しております。
研究、開発、現場管理と、様々な仕事に携わりました。
今の労働環境には全く文句がないんで転職は考えていないのですが、
『さぁ、また大企業に戻るぞー!』
って気持ちになってしまった時が少し心配です。
それには厳しいハードルが待ち受けているからです。
今回は、中小企業から大企業へ転職するために乗り越えなければいけないハードルについて、実体験を元に解説していきます。
転職に必要な実績とは?
まがりなりにも転職を繰り返して感じたのは”実績”の重要さですね。
転職でも学歴は見られます。
特に研究開発などの技術系職種では顕著です。
しかし、新卒の時と異なるのは、やはり社会人になってからの実績を見られるということ。
実績には仕事内容や資格などももちろん含まれますが、結局一番見られるのは金なんですよ。
いくら商品を売ったか、どれだけ稼げる商品を開発、企画したか…。
あなたは何円の価値を生み出してきたんですか?
という部分を見られるわけです。
例えば、職務経歴書で…
化成品の製造ラインに、新規分析装置を導入。不良品の発生率を70%低減。
に対して、
化成品の製造ラインに、新規分析装置を導入。不良品の発生率を70%低減し、年間800万のコストメリット。
どちらが目を引くか比較すると、圧倒的に後者ですよね?
結局、仕事内容なんて、同じ職場の人か、かなりジャンルが近い人しか、全容は伝わらないのです。
面接官…転職活動では転職先の上司になると思いますが、彼らは職務経歴書のわかりやすい数値にとりあえず目を向けるんです。
つまり金です。
”あんたはウチの会社をどんだけ儲けさせてくれるんですか?”
に対するアンサーを的確に伝える必要があります。
中小企業だと実績を出せない…
僕は半年に一回、職務経歴書を更新しています。
別に、転職をしようと思ってるわけじゃないんですが、2回転職したせいか、癖になってる部分もありまして。
自分のキャリアの整理になるというのが大きな理由ですね。
最初の転職の時から使っていうテンプレの職務経歴書に追記するだけなんですが、内容としては…
【自分の仕事内容】
新規◯◯の研究、百貨店向け◆◆の商品開発、△△の製造ライン立ち上げ 等々
【達成したこと】
◯◯の機構を解明、一年で◆◆を3アイテム開発、△△の立ち上げを完遂し、アフターフォローにも従事 等々
【コストインパクト 又は 明確な数値】
◯◯の生産速度を30%向上、◆◆の販促により10百万円/年の売り上げ、△△の工程改善により、30百万円/年のコストダウン 等々
この3項目をいい感じにレイアウトして書いてます。
で、特に赤字で書いた部分…
【コストインパクト 又は 明確な数値】が、中小企業だとネックになってしまうのです…
なぜ中小企業では『実績』を出せないのか…?
僕は今の会社でも過去の会社と同等以上のレベルで仕事はこなせているんですよ。
なんなら仕事の幅も増えたし、仕事のスキルはどんどん上がっています。
だが!
職務経歴書にかける”実績”が無い!!
何故でしょう…?
大企業では”実績”になっていたことが…
そのままです。
何故実績が無いのかというと、
自分の仕事で生み出せるコストインパクトは事業規模に比例するからです。
例えば、製造現場のコストダウンに関して、僕が以前勤めていた大企業では…
”製造工程において、原料を加熱する蒸気を過剰に使用していたため、最適化してガス代を削減した”
これだけで、年間何千万のコストメリットが出たりします。
製造ライン1つで回るお金の規模が段違いなので、少し改善するだけで、とてつもないコストメリットが出るんです。
自分の年収分の仕事をこなすのが、言ってしまえばチョロいんですね。
ただ、中小企業だと、この”自分の年収分の作業をこなす”ことの難易度が一気に上がるのです。
例えば、今の会社では、 ”製造工程において、原料を加熱する蒸気を過剰に使用していたため、最適化してガス代を削減した” なんて業務では、年間数十万のコストメリットに届くかどうか…
このジャンルの仕事で言えば、製造ラインを抜本的に改革して、あらゆる効率化を図ってやっと数百万のコストダウンができるレベルです。
それでも、大企業での『水光熱省エネしました』以下のお金しか稼げないんですよ!
ただし、職務履歴書の限られた欄に書くとなると、どちらも…
- 製造ラインの効率化を図った
で終わってしまうのです。
異なる点は、この業務による実績欄が…
・大企業で簡単な省エネをした人:”数千万のコストダウン”
・中小企業で製造ラインの抜本的な改革をした人:”数百万のコストダウン”
となってしまう現実です。
中小企業の人が、難易度が高く、ハイレベルなスキルを要する仕事をしているのにも関わらずです。
世知辛いですね…。
中小企業出身者のブランディング
中小企業の方が、仕事は難しい!
僕は今後転職活動はしないつもりです。
ただ、いつ転職せざるを得ない時が来るかわかりません。
その場合は…
『大企業から中小企業に転職してきたことで、事業規模の小さい中で実績を出すというハードルの高さを実感しました。』
この流れで、幅広い業務やコストメリット、売上をアピールしていこうと思っています。
金額ベースの実績だったら、大企業の人には勝てません。
”実績を出す”という意味では、中小企業で仕事をこなすのは、大企業で仕事をするより、圧倒的に難易度が高いんですよ。
既述の通り、例えば会社に500万円の利益を与える仕事をするには、中小企業では改革レベルの仕事をしないといけない場合もあります。
その改革した成果を、転職先にどうアピールできるか。
それが、中小企業で働く人が、大企業の人と転職市場で張り合うためのポイントなのです。
中小企業では、研究費も少ないので、分析にしても昔ながらの手法を使ったり、工夫を凝らす必要があります。
商品開発に関しても、ブランドでは大企業に勝てないので、営業方法からPR、商品コンセプトまで練りに練って、自社が戦えるフィールドを探していきます。
工場に関しても、投資金額が少ないと、製造機器のメンテナンスを自社でやったり、製造ラインのコンパクト化、効率化を究極に追い求めないと、競争力を出せません。
こういった中で得られるスキルは、大企業で働く人と間違いなく差別化できます。
大企業でヌルい仕事をして何千万成果あげましたー!と良い気になってた僕自身が感じていることです。
大企業にはもちろん優秀な人も多いので、殿様商売に甘えずにストイックに実績を出し続ける人もいると思います。
ですが、中小企業でも確実にコストメリットを生み出してこれた人間は確実に大企業に行っても通用します。
自分が中小企業で働いているという現実が、転職活動において足かせになるかもしれませんが、逆手にとってアピールできるくらいの実績を残していくことが必要です。
僕も今の会社でのうっすい内容の職務経歴書…なんとかしないとな…
それでも大企業に転職したいなら
中小企業の人は、どんなに実績を上げても、どんなに能力があっても『職務履歴書』 という最初のハードルでつまづきがちです。
面接までこぎつけることに全力にならないといけません。
僕は職務履歴書を今でも定期的にブラッシュアップしています。
転職を終えた今でも活用しているのはリクナビNEXTです。
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リクナビNEXTでは職務履歴書のテンプレートが充実しているのに加え、実績のアピール方法など、選考を通過するためのコンテンツが充実しています。
単なる転職サイトとして見るともったいないですよ!
中小企業なりの戦い方をマスターしていきましょう!!
転職の準備を整えたら、転職エージェントに登録しないといけません。
大手企業への転職には必須のサービスですし、ヒト対ヒトでプロからアドバイスを直接頂けます。
自己流で転職活動を進めるのは、はっきり言ってしまうと無謀です…
リクルートエージェントなど、求人数、求人の質に定評のあるサービスで、まずは転職市場の現実を見てみましょう。
『意外と求人が溢れてる…』ということがわかるはずです。
専門業界向けのエッジの効いた転職エージェントも良いですが、転職初心者や中小企業で働く人は、最大手のエージェントからスタートすべきです。
それでは、キャリアアップを成功させるためにも、まずはしっかりと実績を積み上げていきましょうね!