この記事を読んでいるという事は、きっとあなたはチーズが好きなはず。
さて、ちょっと贅沢したいとき、どんなチーズを選びますか?
モッツァレラにチェダー、ブルーチーズにカマンベール。
さけるチーズを酒のおつまみにしている人も多いでしょう。
筆者はブルーチーズなどのカビ系は苦手なのですが、ゴーダやモッツァレラなどのチーズは大好きです。クセがない、しかし香りが立つあの感じがたまりません。
今回紹介するのは、ちょっと珍しいハロウミチーズ!
味や食感は普通のチーズとは一味違います。しかし、その味は絶品!
別名『焼くチーズ』とも言われますが果たして…
ハロウミチーズとは
ハロウミチーズの大きな特徴は、その製造方法!
まずは普通のチーズとハロウミチーズの作り方を比較してみます。
ハロウミを語る前に…チーズの基礎知識
ハロウミチーズについて語るには、そもそも『チーズとは何か』を知らないと始まりません。
ものすごくカンタンにチーズを定義づけするなら『牛乳から水分を抜いて固めたもの』になります。
ナチュラルチーズは牛や山羊や羊等の乳に、乳酸菌や凝乳酵素(レンネット)を加えて凝固させ、そこからホエイ(乳清)の一部を取り除き乳酸菌やカビ等の微生物で発酵・熟成させたものです。(一部熟成させないものもあります)
- 凝乳酵素はレンネットとも呼ばれ、たんぱく質のカゼインに働いて乳を凝固させます。
- ホエイ(乳清)はチーズを作る際に出る水分。
- プロセスチーズはナチュラルチーズを砕き、乳化剤を加えて加熱して溶かし、再び成型したもの。風味が変化しにくく保存性に優れています。
ほとんどのチーズでは、乳酸菌を作用させて風味や酸味を付与したり、レンネットという酵素を使用して牛乳を固めたりします。
レンネットは、牛乳の中のタンパク質(水溶性)を不溶化して、水分から分離させるはたらきがあります。
ただ、中には乳酸菌を使わないチーズもあれば、酵素を使わずに酸だけで固めるチーズもあります。そのため、チーズの定義はこんなにざっくりしてしまうわけですね。
例えば、さいて食べるチーズ(ストリングチーズ)は、固めつつ、乳酸菌で酸味をつけて、熱をかけて伸ばして伸ばして繊維を作ります。
クリームチーズは、牛乳から分離した乳脂肪(=生クリーム)に乳酸菌を加えて作ります。。パンやサラダと一緒に食べますね。
パルメザンチーズはイタリア伝統のチーズ。成形した後に、何年も乾燥・熟成させた硬質チーズです。粉チーズに使われますね。ちなみにパルメザンチーズ、正式にはパルメジャーノ・レッジャーノを名乗るには、公的機関の認証が必要です。
カマンベールチーズはフランスのチーズ。乳酸菌だけじゃなくて白カビも使っているため、風味がとても個性的!パーティなどに最適です。
ハロウミチーズの製法
さて、ハロウミチーズはこれらのチーズをは少し違います。
一番の特徴は『乳酸菌を使ってない』ということ。
牛乳を発酵させずにそのまま固めたチーズのため、酸味が無く、乳本来の風味がそのまま残っています。
もう一つ、大きなポイントが焼いても溶けないということ。
普通のチーズはレンジなど加熱するとトロトロにとろけますよね。
これは、乳酸菌が出す酸によって、牛乳中のタンパク質の構造が変わるためです。
ハロウミチーズは酸味がないため、牛乳中のタンパク質の構造がそのまま残り、締まった組織になるのです。
そのため、レンジで温めても、フライパンで焼いても硬いまま!
少し焦げた香ばしい匂いと、しっかりした食感が人気のチーズなのです。
この辺の知識はこの本がオススメ。
イラスト、写真を中心にわかりやすく解説されています。
ハロウミチーズの歴史
ハロウミチーズ発祥の地は、地中海のキプロス!
キプロス伝統のチーズと言われています。
ハルミチーズ、ハルーミチーズ、ハローミ…など呼び方もさまざま。
チーズといえば、イタリアやフランス等、ヨーロッパ諸国が有名ですよね。
ヨーグルトやアイスクリーム等の乳製品と違って、チーズは、製造工程から、乾燥時間、熟成期間、塩味、使用する菌種など、各国、各地域で様々なノウハウがあります。
本場では、工房でオリジナルのチーズを製造している個人も多く、数え切れない種類のチーズが進化してきました。
チーズそれぞれに歴史があるのです。
参考リンク:チーズブック(チーズの種類、チーズの歴史・知識、チーズの作り方など)
このサイトから、チーズの種類を見てもらえるとわかりますが、メジャーなチーズだけでも、大変な数です。
このチーズ各種において、工房毎に独自の製法がある…と考えて下さい。エグい数の種類になりますね。
チーズ!超奥深い!
ハロウミチーズの食べ方
ハロウミチーズの食べ方はズバリ、
『焼いて食え!』
一択です。
生で食べるなら間違いなく他のチーズの方が美味しいでしょう。
既述の通り、ハロウミチーズは、乳酸菌を加えないので、酸によってタンパク質が変性せず、タンパク質の構造が壊れません。
そのため、組織を保ったまま成形でき、煮ても焼いても食感を保てるのです。
ラクレットも焼くチーズって言われるけど、あれもトロトロになりますよね。
焼いてもトロけず、モキュモキュと感じるこの独特の食感が、ハロウミチーズ最大の特徴です。
焼き方は簡単。フライパンにちょーっと油を垂らして裏表焼くだけ。
普通のチーズでは不可能な”焦げ目”が少しつくくらいがベストの焼き加減!
こんな感じです。
タイトルの通り、食感がとても不思議です。オリーブオイルをかけてあげてもいいでしょう!
モキュッ!モキュッ!と歯ごたえがあって、チーズとは思えない食感が味わえます。
酸味が無くて、牛乳の風味を残しつつ、ちょうど良い塩味が食欲をそそります!
ハロウミチーズってどこで買えるの?
輸入品を手に入れるのは大変ですが、実はこのハロウミチーズは日本でも製造されています。
メジャーな産地は小岩井農場!また、花畑牧場でも少し売っているようです。
ちなみに、”ハロウミチーズの食べ方”に載せた写真は、以前僕が小岩井農場から通販で買ったものです。
同僚に勧められて食べたのですが、夕飯のおかずにも良いし、酒のおつまみにもバッチリですね。
チーズ特有の臭みも無いから、チーズが苦手な子供達でも余裕ですよ!
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ぜひ一度お試しください!それでは。
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コメント
ハロウミチーズ、初めて聞きました!
溶けないんですね。面白いです。
美味しそうです。
ども!どもども!
珍しいチーズですよ!
チーズと思わないでハロウミチーズという別の食べ物として食べた方がいいかもしれないすね。
でも美味!