【合格体験記】危険物取扱者(甲種&乙4)の勉強法を解説!おすすめ参考書&問題集も

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『危険物取扱者』

工場や研究所に勤める人は避けては通れない資格です。
他にも、ガソリンスタンドで働いてる人や、生産管理など、技術系職種にじゃ有資格者が多いですね。

僕は大学を卒業してメーカー研究者として働き、2年目で危険物取扱者(甲種)を取得しました。
工場勤務の人は乙4を受験することが多かったですね。

では、甲種と乙4の違いとはなんでしょう。
どっちを取得したら良いの?って人も多いかもしれません。

この記事では、危険物取扱者の基礎知識について解説しつつ、筆者の合格体験記として、勉強法、難易度についてまとめていきます。

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危険物取扱者とは?

危険物取扱者は『危険物』の適切な使用とマネジメントに必要な資格です。
化学工場や食品工場、ガソリンスタンド等では必須!
また、危険物を一定量保管、使用する事業所では、必ず危険物取扱者を置く必要があります。
工場を持つメーカーや、石油等、エネルギー開発を担う企業では必須の資格ですね。
ガソリンスタンドのアルバイトでは、乙4所持で時給が上がることも。

危険物取扱者の詳細については、公式サイトで詳しく書かれています。

危険物取扱者について|一般財団法人消防試験研究センター

 

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危険物取扱者の種類

免状の種類一覧:甲種と乙4の違い

危険物取扱者は甲種と乙種1〜6類、丙種に分かれています。
危険物にはそれぞれ1類〜6類の化合物が割り当てられており、扱う危険物に応じた資格が必要です。

【甲種】

全種類の危険物

【乙種】

第1類:塩素酸塩類、過塩素酸塩類、臭素酸塩類、過マンガン酸塩類、重クロム酸塩類などの酸化性固体

第2類:硫化りん、硫黄、鉄粉、金属粉などの可燃性固体

第3類:カリウム、ナトリウム、黄りんなどの自然発火性物質及び禁水性物質

第4類:ガソリン、アルコール類、灯油、動植物油類などの引火性液体

第5類:有機過酸化物、ニトロ化合物、アゾ化合物などの自己反応性物質

第6類:過塩素酸、過酸化水素、硝酸などの酸化性液体

【丙種】

ガソリン、灯油、軽油、重油など

受験案内 危険物取扱者免状の種類|一般財団法人消防試験研究センターより抜粋

乙4…正式には乙種第4類の受験者が多いのは、ガソリンや石油などは、ほとんど全ての工場で使用されているからですね。
ポンプやボイラー、各種ガスなど…4類に該当する危険物を使用しないとメーカーは生産活動出来ません!

 

甲種の受験資格

甲種の受験資格は、

  1. 化学系の大学を卒業
  2. 大学で化学系の単位を15個以上取得
  3. 乙種のどれかに合格し、2年以上実務を経験
  4. 乙種の4つの免状(1類or6類、2類or4類、3類、5類)を取得
  5. 修士か、博士で化学系を専攻

のいずれかを満たす人になります。

僕は2に該当したので甲種を受験することができました。
というより、当時の上司に研究職は甲種じゃないとダメだと言われたので…。

なぜかというと…

 

就職、転職に有利?甲種と乙4どっちを取得すればいい?

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まず、甲種を取る必要があるかどうかですが、

『生産管理や工場のマネジメントをする可能性がある人材は、甲種の資格取得が必須』

と考えてください。

工場現場の人がまず乙4を取得するのは、(最初は)受験資格が無いというのも理由の1つ。
ただ、そもそも工場勤務のみの場合、そもそも甲種を取得する必要がないことがほとんど。

マネジメント側になると、工場全体の危険物、試薬の管理や、監査対応する可能性が出てきます。
ぶっちゃけ、理系の大卒なら、甲種一択です。
理系の学部卒や院卒で、『乙4受けます』って言うと、上司から『え、なんで甲種じゃないの?』と言われますよ。笑

また、研究所でも、試薬の管理には危険物取扱者が必要です。
化学、食品の実験には多様な危険物が必要なので、この場合も甲種の免状が必須ですね。

 

就職、転職に有利?

有利、というより、メーカーへの転職で技術系(研究、生産)なら『危険物取扱者』は必須と言っていいでしょう。

”危険物取扱者の資格保有者が望ましい(または必須)”

ってという文言が書かれている求人は数多く…。

工場勤務の人は乙4、研究職・技術職の人は甲種
社会人で初めて受ける資格試験が『危険物取扱者』という人も多いでしょう。
このような職種に携わる人、また就職、転職を目指す人は確実に取得していきたい資格です。

 

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危険物取扱者の勉強法

難易度と勉強時間

たまに混同している人がいるので、重要なことを最初に言います。

乙種第1類〜6類をコンプリートしても、甲種の資格は得られません。

コンプリートしたところで『乙種全種類持ってる人』でしかないので注意してくださいね。
甲種の資格は、危険物取扱者(甲種)に受かって初めて手に入れることができます。

 

【科目について】

甲種も乙種も、試験科目は、以下の3科目になります。

  1. 危険物に関する法令
  2. (基礎的な)物理学及び(基礎的な)化学
  3. 危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法

乙種の場合、物理化学に(基礎的な)というフレーズがつきます。

甲種と乙種では試験科目の名称が同じでも、内容が少し異なるので、問題集は受験種類に対応したものを買いましょう。

ちなみに、乙種間においては、どれか一つの種類に受かれば共通の科目が免除されます。
例えば乙4に受かれば、次に乙3を受けるときは科目1と科目2は免除されますよ!

 

【難易度と合格率】

以前、危険物の難易度について、以下の記事でも少し言及しました。

【合格体験記】公害防止管理者水質1種の勉強法を解説!おすすめ参考書&問題集も

僕の感覚では、

危険物乙4を難易度1とすると、危険物甲種が難易度2〜3、公害防止管理者が難易度6〜7くらいでしょうか。

合格率は、

  • 危険物乙4:40%前後
  • その他の乙種:70〜80%
  • 危険物甲種:30%前後

です。

乙4と甲種の合格率が近いのは、乙4が難しいからではなく、単純に受験者数が多いからです。
マイナーな乙種の試験は、本当に必要な人しか受けませんが、高校生なども受ける乙4は相対的に受験者のレベルが下がるだけです。

乙種間で難易度に大きな差はありません。

 

【勉強時間】

  • 甲種の勉強時間:約100時間
    (理系出身でなければ〜150時間)
  • 乙種の勉強時間:約50時間〜100時間

これが目安になります。

なお、化学系の大学をキチンと勉強して卒業していれば、【物理学及び化学】の科目はほぼノー勉で合格ラインを狙えます。
暗記が苦手な人は”危険物の法令”と、”危険物の性質”の科目が難しいでしょう。
勉強法については後述していきます。

おすすめのテキスト

僕が使用したテキストはこちら。
解説が充実した良書です。
僕は危険物甲種の合格にはこの1冊だけしか使っていません。

テキスト1冊で合格したいなら、

『全範囲を解説しつつ、問題も充実』

という条件を満たす参考書、問題集が前提!
これは危険物取扱者の試験に限ったことではありませんね。

ちなみに、過去問はHPで入手できます。

危険物取扱者試験|過去に出題された問題(消防試験研究センター)

 

そのため、テキスト選択は演習問題の有無よりも解説の充実さで選ぶのが吉です!

 

各科目の勉強法

危険物に関する法令
(9点/15問で合格)

法律をひたすら覚える系暗記科目!
基本的にある程度覚えたら、過去問メインの勉強にシフトすれば良いでしょう。
細かい所は、テキストだけではなく、最新の危険物の規制に関する政令もチェックしておきましょう。

 

物理学及び化学
(6点/10問で合格)

中学〜高校の簡単な物理と化学の問題が出ます。
公式丸覚えでいいですが、問題を繰り返して、使う公式を間違えないセンスを身につけましょう。
『熱の問題だからあの公式だ!』って丸覚えだと痛い目見ますよ!!

 

危険物の性質並びにその火災予防及び消火の方法
(12点/20問、乙種は6点/10問で合格)

正直一番キツかった…。
危険物の性質(沸点とか分子量)や消火法をひたすら覚える系暗記科目。
とにかく覚える量が半端じゃない!!
ノートにまとめながら覚えた方が効率的でしょう。

 

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おわりに

危険物取扱者の資格は様々な企業で使えます。
場所によっては資格手当も!

有用で難易度そこそこ、就職転職で有利!
理系の方、工場や研究所で働く方は取っておいて間違いない資格ですよ!

それでは、合格を祈っています。

 

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