日本人のグアム旅行者が減った主な理由は、コロナ禍による海外旅行需要の消失と、その後の円安・旅行費用の上昇・航空便の変化です。 2019年度に約66.5万人いた日本人旅行者は、2025年度には約23.9万人と、コロナ前の約36%まで減少しています。
ただ、私は実際にグアムへ旅行した経験から、もう一つ気になることがあります。
それは、日本人向けに最適化されすぎたグアムは、海外旅行に求める「非日常感」が少し薄いのではないか? ということです。
私は海外旅行が好きで、学生時代にはニューヨーク、ロサンゼルス、カナダ、オーストラリアなどへ行きました。
大学院時代の卒業旅行は、研究室の友人たちとグアムへ。
当時のツアー料金は、飛行機とホテルがセットでなんと3泊4日39,800円!
「えっ、海外旅行ってこんなに安いの?」
とはしゃいだのを覚えています。
ホテルは海の目の前で、ビーチもきれい。コストパフォーマンスは最高でした。
しかし、実際に行ってみると少し残念な点も……。
今回はそんな個人的な体験を交えながら、日本人のグアム旅行者が減少した理由を、最新の観光統計と旅行事情から考えてみます。
グアムは日本語ばかり…は本当?

私がグアムに行って最も驚いたのは、日本語が通じすぎることでした。
ホテルはもちろん、お土産店、観光施設、タクシーなどでも日本語で対応してもらえる場面が多かったんです。
「タクシー乗り場」という日本語の案内まであります。海外旅行というより、外国人の多い日本の観光地に来たような感覚でした。
もちろん、日本語が通じること自体は大きなメリットです。英語が苦手な人や、小さな子ども連れの家族、初めて海外旅行をする人にとっては安心できます。
ただ、私が海外旅行に求めていたのは、もう少し違うものでした。知らない言葉、知らない文化、日本では見られない街並み。そういった非日常感を楽しみたかったんですよね。
もちろん、グアムにも日本とは違う文化や自然があります。島全体が日本語だらけというわけでもありません。あくまで当時のタモン地区など、観光客向け施設での私の体験です。
それでも率直な感想は、
「これなら沖縄でいいじゃん」
でした。
グアム観光産業の現状|日本人旅行者はどれだけ減った?
日本人の割合は昔の8割から大きく低下
かつてグアムは、日本人旅行者が非常に多い観光地でした。
2008年には全訪島者の約75%、2009年9月には約83%を日本人が占めていたという研究もあります。
しかし、この数字を現在の状況として紹介するのは正確ではありません。
グアム政府観光局(GVB)の統計を見ると、2019年度には日本人より韓国人の渡航者数が多くなっていました。
| グアムへの渡航者 | 2019年度 | 2025年度 |
|---|---|---|
| 日本 | 664,784人 | 238,998人 |
| 韓国 | 734,339人 | 344,003人 |
| 渡航者全体 | 1,631,049人 | 729,124人 |
| 日本人の割合 | 約40.8% | 約32.8% |
出典:グアム政府観光局|Visitor Arrival Statistics
2019年度の時点で、日本人の割合は約4割。
そして2025年度には約3割まで下がっています。
昔の「グアムといえば日本人ばかり」というイメージとは、すでにかなり違います。
日本人の渡航者数は2019年から約64%減少
さらに、日本人旅行者の推移を見てみましょう。
| 比較期間 | 日本人渡航者数 | 状況 |
|---|---|---|
| 2019年度 | 664,784人 | コロナ前 |
| 2024年度 | 203,482人 | 回復途上 |
| 2025年度 | 238,998人 | 前年度比17.5%増 |
| 2026年1~8月 | 159,661人 | 2019年同期比約64%減 |
2025年度は2024年度より回復しています。
しかし、2019年度と比較すると、依然として約64%も少ない状況です。
2026年1~8月についても、2019年同期の444,134人に対して159,661人と、回復率は約36%です。
なお、2026年8月単月では24,642人で、前年同月比15.5%減少しています。
したがって、「日本人旅行者がずっと減り続けている」のではなく、「コロナ前の水準へ戻りきっていない」という説明が正確でしょう。
グアム側にとって、日本人旅行者の回復は今も大きな課題です。
なぜ日本人のグアム旅行者は減ったのか?

私は、主な要因を次の4つだと考えています。
① コロナ禍で海外旅行需要が大幅に減少した
最も直接的な原因は新型コロナウイルスの流行です。
2020年以降、海外渡航が制限され、国際航空便も大幅に縮小しました。
グアムも観光産業に大きな打撃を受けています。
その後、渡航制限が緩和されても、旅行需要がすぐ元通りになったわけではありません。
海外旅行を控える習慣や、国内旅行を選ぶ流れが残ったことも、回復が遅れた一因と考えられます。
② 円安と物価上昇で「安いグアム」が遠くなった
私が卒業旅行でグアムへ行ったときは、3泊4日39,800円でした。
しかし、2026年現在、同じような価格で旅行するのは簡単ではありません。
大きな理由が円安です。
日本銀行によると、2019年のドル円平均レートは約109円でしたが、2026年10月9日の17時時点では約158.3円です。
例えば、現地で200ドルの食事・買い物をした場合、
| 為替レート | 200ドルの日本円換算 |
|---|---|
| 1ドル=109円 | 21,800円 |
| 1ドル=158円 | 31,600円 |
現地のドル建て価格が変わらなくても、円換算では約45%高くなります。
さらに、米国側の物価上昇や宿泊・外食費の変化も加わります。
グアムは米国準州なので、基本的には米ドルで支払います。
昔のように「沖縄旅行より安い海外旅行」とは、簡単に言えなくなりました。
出典:日本銀行|外国為替市況
③ 航空便の減少・路線変更でアクセスが不便になった
グアムの強みは、日本から近いことです。
東京から直行便なら、所要時間はおよそ3時間半~4時間。ハワイなどに比べると、短い休暇でも訪れやすい距離です。
2026年現在も、日本航空やユナイテッド航空などが日本とグアムを結んでいます。
日本航空は2026年夏ダイヤで成田~グアム線を毎日運航。ユナイテッド航空も成田・羽田・関西・中部などとの路線を展開しています。
一方、便数や就航路線はコロナ前から変化しており、地方空港からのアクセスには差があります。
例えばユナイテッド航空の福岡~グアム線は、2024年10月に運休しています。
直行便が使えなくなると、国内での乗り継ぎが必要になり、移動時間も費用も増えます。
グアム政府観光局自身も、航空会社への支援や座席供給量の確保を観光回復の重要課題としています。
航空便と観光需要は、互いに影響する関係なんですね。
④ ほかの海外リゾートや国内旅行との競争
昔は「安く行ける南国リゾート」として、グアムの魅力が非常に分かりやすかったと思います。
しかし現在は、沖縄の離島や東南アジアのリゾートなど、旅行先の選択肢が豊富です。
もちろん、航空券やホテルの価格は時期によって異なるため、どこが一番安いとは断定できません。
ただ、グアムの旅行費用が上がれば、消費者がほかの目的地と比較するのは当然でしょう。
私自身、海外旅行へ行くなら、現地の文化や言葉、食べ物なども楽しみたいタイプです。
そう考えると、価格面だけでなく、旅行先としての個性も重要になってくると思います。
「日本人贔屓」なクラブでの忘れられない思い出
ここからは、私がグアムで経験した話です。
大学院時代の私はEDMや洋楽が大好きで、海外へ行ったらクラブへ遊びに行きたいと思っていました。
友人たちとグアムの有名なクラブへ行き、DJが流す洋楽やR&Bを楽しんでいたんです。
ところが、フロアを見渡すと日本人がたくさん。
「……渋谷かな?」
と思いましたが、まあ楽しかったので気にせず踊っていました。
そして、最後の曲が流れる時間になったときです。
DJが突然、
「Hey!JAPAN!元気ぃー!?」
と日本語で叫び始めました。
そして流れてきたのは、宇多田ヒカルの『Automatic』。
いや、宇多田ヒカルは大好きなんですよ。
アルバムも持っていましたし、名曲であることも間違いありません。
でも、海外のクラブで最後に聴きたかったのは、それじゃない!
フロアには微妙な空気が流れていました。
日本人客を喜ばせようとしたサービスだったのでしょう。
ただ、私にとっては見事な「コレジャナイ感」でした。
今となっては笑える旅行の思い出ですが、グアムの観光産業について考えるきっかけにもなりました。
海外旅行に求めるのは「非日常」では?
私は、グアムの観光産業が日本人向けに発展してきたこと自体は、とても合理的だったと思います。
大勢の日本人が訪れるなら、日本語の案内やサービスを充実させた方が便利です。
しかし、行き過ぎると逆効果になることもあるのではないでしょうか。
英語を使う機会が少なく、日本の音楽が流れ、日本語で買い物ができる。
もちろん、それを求めている旅行者もいます。
ただ、私のように非日常感を楽しみたい人にとっては、少し物足りません。
とはいえ、ここは区別して考える必要があります。
日本人旅行者が減少した主な原因を、グアムの日本語対応に求めるだけの統計的根拠はありません。
コロナ禍、円安、旅行費用、航空便の影響の方が、需要減少を説明する要因としては明確です。
日本語サービスと非日常感の問題は、あくまで私が実際の旅行を通じて感じた、観光地としての魅力に関する批評です。
ただ、海外旅行に何を求めるかによって、グアムへの評価はかなり変わると思います。
それでもグアムが好きな理由
ここまで少し批判的なことを書いてきましたが、グアムは本当にきれいな島です。
透明度の高い海、白い砂浜、リゾートホテル、ショッピング、アメリカらしい大きな肉料理。
私も卒業旅行では十分に楽しめました。
特にホテルの目の前に広がるビーチは素晴らしかったですね。
また、日本からの飛行時間が短く、時差も1時間しかない点は大きな魅力です。
日本語に対応する施設も多く、英語に自信がない人や初めて海外へ行く人でも旅行しやすい。
海外の文化を深く体験したい人には少し物足りなくても、近場で南国リゾートを楽しみたい人には非常に魅力的な旅行先です。
私はそう思っています。
グアムに安く旅行する方法【2026年版】
最後に、2026年現在の旅行費用と、安く旅行するためのポイントを整理します。
2026年のグアム旅行は3泊4日でいくら?
旅行会社の公開する予算目安では、2026年のグアム旅行は3泊4日で1人17万~25万円程度を想定する例があります。
旅行の時期、ホテルのグレード、航空会社によって金額は大きく変わります。
| 費用項目 | 3泊4日の目安 |
|---|---|
| 往復航空券 | 80,000円~ |
| ホテル | 35,000円~ |
| 食費 | 25,000円~ |
| 現地交通費 | 5,000円~ |
| 観光・アクティビティ | 20,000円~ |
| 通信・保険等 | 5,000円程度~ |
| 合計 | 170,000円程度~ |
※旅行会社公表のモデル予算を参考にした金額で、実際の予約見積もりではありません。燃油・税金・ホテルの人数条件等は商品によって異なります。
私が利用した39,800円のツアーが、いかに安かったか分かりますね。
ただし、安い日程やキャンペーンを利用すれば、予算を抑えられる場合もあります。
海外旅行が初めてならツアーパックを
海外旅行が初めてなら、私は航空券とホテルがセットになったツアーをおすすめします。
旅行会社によっては、空港送迎なども含まれています。
自分で航空券とホテルを予約する方法より割高になる場合もありますが、予約やトラブル対応の手間を減らせるのはメリットです。
特にグアムは3泊4日程度の短期旅行が多いため、効率よく移動できることも重要です。
Expediaなどで航空券とホテルを組み合わせる
海外旅行に慣れている人は、航空券とホテルを自分で選ぶ方法もおすすめです。
私は以前から、Expediaなどでホテルを比較しながら旅行プランを作るのが好きでした。
同じホテルでも、宿泊日や予約条件によって価格が変わります。
また、航空券とホテルをセットで予約すると割引になることもあります。
ただし、必ずセット予約の方が安いわけではありません。
キャンセル条件、荷物料金、空港送迎、燃油・税金まで比較してください。
私なら、まずツアーと個別手配を両方見積もり、総額で安い方を選びます。
まとめ|日本人旅行者が減っても、グアムには魅力がある
日本人のグアム旅行者が減った最大の理由は、コロナ禍とその後の旅行環境の変化です。
2019年度に約66.5万人だった日本人渡航者は、2025年度には約23.9万人まで減少しました。
円安、米国の物価上昇、航空便の変化などが重なり、かつての「安く行けるグアム」という魅力が弱まったことも、回復が遅れている背景と考えられます。
一方で、私が旅行で感じた「日本人向けに最適化されすぎている」という問題も、観光地として考える余地があると思います。
ただし、それが旅行者減少の主因と証明されたわけではありません。
グアムは、海外旅行に非日常を求める人と、安心して南国リゾートを楽しみたい人では評価が分かれる旅行先です。
それでも、海は本当にきれいですし、日本から約3時間半~4時間で行ける手軽さは大きな強みです。
旅行費用を十分に比較して、自分の求める旅行スタイルに合うなら、今でもおすすめできるリゾート地だと思います。



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