子供にバイオを学ばせる前に、親が絶対に考えるべき7つのこと

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バイオ系修士卒のみるおかです。

以前、バイオテクノロジー(生命科学系)専攻の大学院、博士課程、研究者の闇を書いた記事を投稿しました。

就職難の嵐!それでもバイオ系に進学する?悲惨な実情とは

長い記事ですが、農学、生物学の研究分野における数字を以って解説しています。

今回はこの記事から派生して、バイオ専攻に進むということがどういうことか、経験者の立場から親御さん向けに解説します。

某ワセジョのリケジョがやらかしましたが、iPS細胞など依然として技術革新が著しい分野です。

子供がその世界に進みたい!と言い出した時、何も知らなければ諸手を挙げて賛成する親御さんもいるかも…。

その前に!ちゃーんと闇を知ってから考えてあげましょー!

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高い学費を覚悟しましょう

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ご存知の通り、商、法、経済などの文系学部と比べて、理工、農などの理系学部の学費は高いです。

学費が50万円/年程度の国公立大に受かれば良いですが、私大であれば入学金を抜きにして100万/年は下りません。

企業の研究職を狙う場合、修士課程はほぼマストですので、この金額の6年分が必要です。

1つの策は奨学金ですが、言ってしまえばこれは借金です。

ベストは入試や入学後に良い成績を取って、学費免除奨学金免除を狙うことです。

もちろん、良い成績を取り、学内で1ケタの順位が必要です。

私は授業の成績と論文を評価していただいて、なんとか大学院は奨学金免除になりました。

大学ではテストの成績により、単位ごとに1〜4(不可は0)までで評価されます。GPAと呼ばれてますね。

私の感覚では、学費免除や奨学金免除を狙うなら、GPA3.5は欲しいところです。大学の制度を確認しましょう。

一部の理工系学部は難度が高いためGPA平均が下がると思いますが、バイオ系の学問は暗記が基本なので、基本的に単位取得の難易度は低いです。その分、GPA平均値は上がります。

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博士課程も覚悟しましょう

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企業の研究職を狙うなら修士課程がベストです。

博士課程まで進むと、一気に門戸が狭まります。

それでも、子供が研究に目覚めた場合、博士課程まで進みたがるかもしれません。

一部では、教授のパワハラで博士課程に進まざるを得ないパターンもあります。

博士課程は通常3年。ズバ抜ければ2年以内で卒業も可能ですが、論文を出せなければ卒業はどんどん伸びます。バイオの博士留年は非常に多いです。

その場合、学費はさらに上がります。

修士までの実績等で優秀な研究者と認められ、学振特別研究員になれば、2〜3年間生活費を頂きながら学べます。

しかし、選考通過率は分野によりますが、1割から良くて3割です。

相当な実力と実績がない限り、無難に就職することをおすすめします。

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子供が定職につけないことも想定しましょう

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博士課程のうち、定職につけるのは7割程度です。

ちなみに、そのうち2割は非正規です。

文科省のデータでは1割はその他扱いです。

進学などがその他になりますが、行方不明、消息不明もこのカテゴリーに入ります。

ちなみに文系の博士課程はもっと悲惨なので、何らかのビジョンが見えてない限り、博士課程には進学すべきではありません。

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国立上位大学に進学させましょう

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正直なところ、企業の研究職、特にバイオ系で主流となる大手製薬、食品、化学メーカーでは学歴が無いと話になりません。これらのメーカーの研究職は、旧帝大の修士課程でほぼ埋まります。

早慶やその他国立の上位大学でも、バイオ専攻は研究職の就活に苦労します。

地方国立、いわゆる駅弁MARCHクラスでは、スタートラインにも立てないことが多いと考えましょう。大手メーカーには学歴フィルターでバッサリ切られます。

これらの大学のバイオ系修士が研究職を目指す場合、研究室(教授)のコネを使って推薦を狙うか、明らかに突出したアピールポイント、コミュニケーション能力があるなど、旧帝大よりも明らかに優れている何かを示せない限り、書類すら通りません。

綺麗ごとに惑わされず、志望校の目標を高めに設定しましょう。

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慎重な学部選択をさせましょう

バイオテクノロジー

ライフサイエンス

生命科学

理学

こんな言葉が就活に役立つことはありません。

専攻に焦点を当てるなら、バイオ専攻は研究職向けの就活では最弱です。

食品メーカーの研究職であれば、(量産化など実学に近い)生物工学分析化学食品工学が強いです。バイオでも微生物学の研究であればプラスに働くかもしれません。

製薬メーカーはやはり薬学有機化学を優先的に取りますね。

再生医療?旧帝大で最前線の研究してればどっか取ってくれるかもしれませんね。それかベンチャーにでも行きましょう。

化学メーカーはそのまんま化学が最強です。

もろバイオ、生命科学の学生が弱いところは、そもそも学問が企業においてスキルとして使えないことが多いことに加え、数学と化学に弱いこともネックです。

国立ではバイオ系学部でも数学や化学の単位が必修なことも多いですが、私大では自由の名の下に必修単位が少なく、これらの単位を避けて卒業することもできます。

大学みたいな狭い領域ではなく、基礎研究から現場までの落とし込みを考えた場合、専門外と言っても、簡単な微分方程式くらい解けないと話になりません。

どうしても子供がバイオに進みたいと言うなら、生物工学分析化学農芸化学など、バイオ以外の知識も(強制的に)習得できる学部選択をおすすめします。

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健康管理に気をつけましょう

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研究室によっては、徹夜で研究することもあります。

また、修士、博士は自主性を尊重されることが多いです。すなわち、土日祝の概念がありません。

風邪を引くくらいなら良いですが、寝不足、ストレスによる様々な疾病にも注意しましょう。

僕の後輩は研究室配属の1年で一気に老けました。

自宅から通えてる場合は、子供の健康により一層注意しましょう。

下宿にいる場合は、コミュニケーションを忘れずに。

勤務は23時までが基本、上司からのディス、学歴差別当たり前のブラック企業の研究所に新卒で入った後輩(転職済み)が、

『給料がもらえるだけ、院生の頃よりだいぶマシ』

と言っていましたよ。

僕の研究室生活は下の記事をご参照ください。

修士2年の春、ブラック研究室は牢獄から楽園になった。

 

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メンタルケアにも注意しましょう

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リアルな話をします。

僕の周りでは、学部4年と修士課程、計3年の研究室生活(共同研究先の大学含む)で、

うつ病3人

登校拒否2人

中途退学3人

行方不明1人(表現ボカしてます)

これだけの人がメンタルをやられました。

1学年7名程度の研究室、先輩から後輩までのべ50人に満たない人数でこの状態です。

バイオ過程に進み、研究職として一人前になるということは、頭脳、メンタル、体力、全てにおいてエリートであることが求められるのです。

日々のケアを大切にしていきましょう。

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おわりに

子供の進路を考える時、何も考えずに賛成、反対することは良くないと思います。

思想や妄想(〜になってほしい、〜らしい、〜みたいな話を聞く)ではなく、『知識とデータ』に基づいたアドバイスができると良いですね。

それを以ってなおかつ子供がバイオに進みたいというなら…

あとは各家庭の話。

こんなこと書きましたが…

バイオの世界はたのし〜ぞ〜

コメント

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