『マニュアル人間』と『機転の利く人間』…よくジレンマに陥りますね。
僕は1人暮らしなのですが、朝食と夕食は自炊で、昼食は出勤時にコンビニで買っていきます。
帰りにもお菓子やサラダを買って帰るので、ほぼ毎日朝晩、同じコンビニに通っています。
行きつけのコンビニは規模が小さく、あまり忙しくもないので、朝晩は2、3人の少ない人数で回しているようです。そのため、毎日通っていると段々と顔なじみになっていきます。
朝は大体同じお兄さんです。20代中盤でしょうか…大人しい人ですが、顔は覚えてくれているようで、たまに話しかけてくれます。
夜は大学生の男女です。彼らは人当たりがよく、会計のついでに軽く雑談もするようになりました!
『今日おしゃれですねw』
『うるせぇw』
かなりフランクな雰囲気です。
外で会った時は立ち止まってしばらく話すこともありますよ。
さて、僕はこのコンビニのポイントカードを持っていませんし、不要だと思っているのですが…
朝のお兄さんは毎日
『ポイントカードはお持ちでしょうか?』
『いや、ないです…』
と聞いてきます。
夜の大学生は、最初に断ってからは1回も聞かれていません。
別にどちらも気分が悪くなることはありません。
おそらく接客マニュアルに、
- 接客時にはお客様にポイントカードの有無を聞くこと
という文言があるのでしょう。
さて、皆さんはどちらの対応が正しいと思いますか?
マニュアル人間と機転が利く人間
(中略)その中で、必ずやってもらうことは、マニュアルを作るということです。
自分たちで料理を作ることではなく、スタッフが、継続的に作れるようになることが目的。いつまでも自分たちで調理をしていたら、新しいことができません。
会社の社長はもちろん、ホワイトカラーの会社員でも、「他人に仕事を任せる」ことは非常に大切なので、それを練習してもらっています。
でもマニュアル化よりも、大変なのは「継続」です。
マニュアルを作り、スタッフに料理を作ってもらい、僕らが決めたオリジナルの味を出してもらうことはそれほど難しくありません。しかし、それを継続することは非常に大変なのです。
なぜなら、東南アジアのスタッフは「創意工夫」が大好きだからです。
これはあるブログから引用したものですが、規律を守ることを重視し、同じ品質の料理を継続して提供することを重視するマネージャーと、創意工夫で自分が美味しいと思う方向に変えたがるアジア人スタッフとの間のすれ違いが描かれています。
最終的にはここに落ち着きました。
日本では、この「マニュアルを守る」という教育が行き届きすぎているせいか、新しいことをするのが苦手な人が多く、「マニュアル人間」とバカにされます。
しかし、店主の目線からみると、最初からマニュアルを無視して創意工夫してしまう人よりも、マニュアルを守る人のほうがありがたい、というのが本音だったりします。
「マニュアル人間」に、「臨機応変に創意工夫をする能力」がそなわれば、それこそ最強になれるのではないでしょうか。
マニュアルをベースに、必要に応じて臨機応変に対応する…
簡単に言いますが、加減が難しい部分です。
次のキャリアパークの記事にはこう書かれています。
新入社員はビジネスマナーや仕事の手順を覚えるにあたり、まずマニュアルを見て行動し、覚えますよね。
これは当たり前の流れですが、いつまでもマニュアルに沿った仕事ばかりをしていると、仕事に対して柔軟に対応できなくなり、どのような仕事をするにもマニュアルが手放せない人間になってしまいます。
このようなマニュアル人間となってしまうと、仕事をしている中で想定外の状況に対応できず、結果1人では何もできなくなります。会社としては、新入社員をマニュアル人間にしないよう指導するのが重要なのです。
自分で考えて動けば『言うことを聞け』と怒られ、言われたことだけやっていれば『マニュアル人間ではダメだ』と説教される…
新入社員に限ったことではなく、社会人であれば1度は悩んだのではないでしょうか。最初からこの加減を上手に出来ていたとしたら、かなりコミュニケーション能力に優れた人でしょう。
マニュアル人間の定義とは?最初は機転を聞かさなくて良い!
一般的には、マニュアル人間とは「決まったマニュアル通りのことしかできない人間」のことを言います。
キャリアパークの記事を続けて引用させてもらうと、こんなことが書いてあります。
マニュアル通りのことは出来るが、それ以外の対応ができない…例えばマニュアルに無いトラブル等が起こった時に何も出来なくなってしまう人間のことです。
僕も部下のマネジメントでよく悩む部分です。
自分の考えで適切に動けるようになってほしいですが、一番困るのはマニュアルを無視して勝手な判断でミスをされることです。新しいテーマにトライした上で失敗するなら全く問題無いのですが、問題は『製造業務の作業を効率的にやろうとして、マニュアルを無視し危険な行為をしてしまった』等の場合です。
僕はメーカーで働いているので、まずはリスク(安全衛生、商品の均一性)を減らす事が重点項目です。
そのためには『マニュアルを遵守する』といった基本を守りつつ、マニュアルが無い部分、例えば『手際の良さ』や『段取り』等の部分で創意工夫を凝らすのが理想です。
非常に難易度の高い問題ですね…。
『機転を利かす』の難易度はめちゃくちゃ高い
さて、冒頭のコンビニ店員の話に戻ります。
『接客業』という立場において、
- 顔なじみの常連にも『ポイントカードお持ちですか?』と聞きづつける青年
- ポイントカードが無い事を把握し、円滑にコミュニケーションを取る大学生
どちらが正解でしょうか?
あくまでも個人の思想で答えますが、私が店長の立場なら、まずは『ポイントカードお持ちですか?』と聞きづつける青年が正解に近いと考えます。
ただ、あくまでも第一印象での判断です。大学生の対応は、彼がどこまで考えてるかで判断が分かれます。
コミュニケーション能力に優れた大学生は魅力的ですが、彼の場合、僕が『ポイントカードを恒久的に持つつもりはなく、店員との雑談にも楽しく応じられる人間』だと判断した上で、このような対応を取れているかどうかが重要です。
ここまで考えた上で、一般の客にはマニュアル通りに対応し、僕に対しては別の対応を取れているのであれば、非常に優れた接客だと考えます。
誰に対してもこのようなフランクな対応をする場合、ポイントカードの出し忘れ防止というマニュアル本来の目的を満たせない可能性が高くなります。
僕なりの『一般論』がこの結論です。
おわりに
マニュアルと融通、機転…非常に使い分けが難しい問題です。
個人的に、コミュニケーションや接客、仕事のスタイル等のマニュアル化に関しては否定的ですが、『安全』や『衛生』が関わる部分は細部までマニュアル化を進めるべきと考えます。
この2つのキーワードはパワハラにおいても乱用されがちですね。
マニュアル人間な部分を発揮すべきか、創意工夫を凝らしにいくか…
シチュエーション毎に考えながら行動していきたいです。
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みるおか