ブロックチェーン技術とは何かゼロから理解したい人に|書評:いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン

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2017年はビットコインをはじめとした仮想通貨の価格が急騰しました。
長期的な投資と考えている人もいれば、短期的に大きな利益を狙う投機対象としている人もいます。

仮想通貨「18年は日本が主導」27%で最多 利用者調査|日本経済新聞

今年は日本が仮想通貨の発展をリードすると考える投資家も多く、日本での仮想通貨フィーバーが見て取れますね。

ちなみに、僕がこれまで購入した仮想通貨は7ケタ(日本円)に少し届かない程度…
それなりに利益は出ていますが、短いスパンで売買するつもりはなく、チャートも週1で見るかどうか…という感じです。

投資か、投機か…
とらえ方は人それぞれですが、僕はどちらかというとかとの背景にあるテクノロジーに興味がわきました。

そう、ブロックチェーン
ブロックチェーン(分散型台帳技術)は、仮想通貨の基軸となるデータベースです。

20代を研究畑で過ごしたせいか、仮想通貨がでてきたときも『そもそも仮想通貨ってなんなの?どんな技術?』ということが気になり、いくつか関連書籍を読んでみました。

こう書くとブロックチェーン技術に詳しいエンジニアのようですが、そもそも僕はこういうテクノロジーには疎い人間です。苦笑
僕のように『仮想通貨ってなに?』『ブロックチェーンってすごいの?』というレベルの人もまだまだ多いはず…

そこで、この記事ではブロックチェーン技術や仮想通貨をゼロから理解したい人にオススメの本を紹介したいと思います。

 

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いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン

ブロックチェーンを知りたい!という人は、いちばんやさしいブロックチェーンの教本を勧められることが多いでしょう。
いちばんやさしい〜は間違いなく良書です。
ただ、これまで情報処理に全く触れてこなかった人にとっては、専門用語も多く、まだハードルが高いかもしれません。

『仮想通貨ってどうやるの?』
『ブロックチェーンってなに?データベース?』

という人たちには、予備知識として、まずはこの”いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン”から読み始めるべきでしょう。
いちばんやさしい〜よりさらに初心者向けの内容になっています。

ただ、個人的には前半と後半でクオリティに大きな差があるように感じた1冊でもあります。

この本の筆者は、ビットコインの大手取引所”コインチェック”の創業者でもある大塚雄介氏
そのため、ややセールストークが多いのが気になりました。
前半は少し批判的に見るくらいがちょうど良いかもしれません。

 

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【小まとめ】この本でわかること

そもそも仮想通貨ってなんなの?

取引所や販売所ってなに?|(コインチェックを使って)仮想通貨を購入して取引する方法

ビットコインや仮想通貨がどう管理、運用されているのか

ビットコインの相場はどうやって決まるのか

投機としてではない仮想通貨(ビットコイン)の使いかた

ブロックチェーンやマイニングの基本的な考えかた

主なアルトコイン(XRP、ETHなど)の特徴と背景技術

ブロックチェーンを使った応用展開とフィンテック(Financial Technology)

こういった項目がカンタンに解説されています。
ただ、全体的に概念の説明にとどまっており、エンジニアレベルの専門知識は得られません。
”全く予備知識がない人”でも理解できるレベルなので、ブロックチェーン技術への理解を深めていきたい人には物足りないでしょう。
レベル感としては、大学のオープンキャンパスに来た中高生に、学部での勉強内容を解説しているようなイメージでしょうか。

おそらく、仮想通貨やブロックチェーンに関して最もカンタンな書籍になります。
この本を読んでも『意味がよくわからなかったな…』という人は仮想通貨に手を出すのはやめておきましょう!

 

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最初に読むべき本…だが前半の組み立て方は『教本』としては違和感あり

最初はやや批判的なレビューになります。

出版当時はこの本に書かれている内容が”最新”であることは間違いないでしょう。
ただ、出版から1年以上が経過した今、プロローグから前半部分で書かれているビットコインの相場感、将来性などは、現実からかなり乖離している状態。

1月5日にはついに15万円を突破して大騒ぎに…

僕はある程度ビットコインで遊んでからこの本を読み始めたので、

『そんなこともあったね』

くらいの感覚で読み進められましたが、仮想通貨ビギナーは少し混乱するかもしれません。
相場はもちろん、手数料や取引所の運用方針、コインの分裂など、1ヶ月で別の世界に変わるのが仮想通貨。
これらを普遍的な知識としてまとめる方が難しいかもしれませんね。

さて、本書の前半は、

ビットコインとは?
→ビットコインは安全
→ビットコインを買うには?
→コインチェックでの取引方法…

と、理想的なセールストークが展開。

ちなみに、ビットコインそのものはスマホにダウンロードされているわけではなく、クラウド上に保管してあるので、スマホのデータを完全に消去しても、ビットコインが失われるわけではありません。
別のスマホやパソコンからログインし直せば、ちゃんと残っているから大丈夫です。

(中略)

ビットコインは、どこか特定の国や中央銀行にあたる組織が発行しているわけではありません。国によるコントロールを受けないので、世界中どこでも同じように使うことができます(その国に受け入れ体制ができていれば、の話ですが)。その意味で、真の「国際通貨」といえるでしょう。

ービットコインと現金はどう違うの?(Part1)より

ビットコインによる支払いでは、そもそも物理的なカードがなく、自分から相手が指定するアドレスにビットコインを送金するだけなので、ウォレットIDなどの情報を相手に渡すわけではありません。
また電子署名という暗号で守られているので、送金中のビットコインが別の人に盗まれる心配もありません。

ービットコインはクレジットカードとどう違うの?(Part1)より

これらの内容は間違いではありません。
しかし、著者のバックグラウンドもあり、仮想通貨寄りのバイアスが目立ちます。
マウントゴックス事件や、ビットコイン分裂時の混乱についても”目立たない”ような文章展開で書かれていますが、

『現金は面倒臭いよ、仮想通貨は楽チンだよ。』

『クレカはスキミングとか怖いよ。仮想通貨は安全だよ。』

前半はこういったスタンスの文章展開が多くなります。

ビットコイン70億円相当盗難か–仮想通貨マイニングのNiceHashにハッキング

ここ最近は、取引所や仮想通貨マイニングへのハッキングも多様化しています。
こういったトラブルでは、二段階認証の設定ミスなど、ユーザー側の責任も大きいことも多いです。
ただ、”安全である”という説明では、こういった事例も載せておくべきでしたね。

この本のスタンスが、仮想通貨&ブロックチェーンのテキストとしてなのか、それともコインチェックのプロモーションとしてなのかはわかりません。
ただ、取引所の取締役として『テキスト』を出版したつもりなのであれば、もう少し客観的な展開を期待したかったです。

 

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Part4以降ではブロックチェーンのエッセンスをわかりやすく解説

Part3まではコインチェックのプロモーションとしておきましょう。

ただ、Part4以降はブロックチェーンやフィンテックなどの関連用語についてとてもわかりやすく、そして客観的にまとまっています。
(Part4以降で作者が変わったのか…?と思ったほど…)

ネジの形状、フィルムの感度、コンテナのサイズなどの工業規格から、品質管理などのマネジメントシステムまで、世界で統一ルールを作って国際取引の円滑化をはかるISO(国際標準化機構)でビットコインの標準化の議論が進んでいます。

(中略)

世界中の銀行システムはISO4217を満たす必要があるため、ビットコインがISO4217に採用されると、技術的には世界中の銀行システムがビットコインを扱えるようになります。

ー仮想通貨とブロックチェーンはどこまで広がるの?(Part4)より

ブロックチェーンに裏付けされた認証システムや偽造防止技術は、仮想通貨以外への応用展開も期待されています。
ブロックチェーンにもいくつか流派があり、国際標準を作ることで展開しやすくなるかもしれません。
ブロックチェーンや分散台帳によるコスト低減などは各金融機関でも活用が期待されています。

個人的に興味があるのが『仮想通貨後』にブロックチェーン技術がどう活用されていくか。
このあたりはもっとインプットを増やしていきたいですね。

最終章のPart5ーフィンテックっていったい何なの?ーではフィンテック(ファイナンシャルテクノロジー)の概念と現状、将来性についてわかりやすくまとめられています。
また、コインチェックのスタンスについても、

自ら採掘レースに参加するより、インフラを整備する方が確実で、マーケットも大きいわけですから、そこを目指そうというわけです。

ー次にどんなサービスが登場するかは予測できる?(Part5)より

と言及しています。

筆者の得意分野なのでしょうが、この章では、ITや自身の運営する取引所がどのように金融に絡んでいくのか、わかりやすく解説されています。
ビジネスマンとしてのアイデア、考え方も散りばめつつ、具体例もしっかり押さえる。
Par3までのバイアス全開だった文章展開がウソのようでした。

 

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おわりに

やや批判的にレビューしてしまいましたが、全体を通してみれば、
仮想通貨とは→どう仮想通貨が動いているのか?→今後の展開は?
とバランスよく仕上がっている印象です。

ITや金融用語にアレルギーがあるような人でもテンポよく読める1冊でしたね。
仮想通貨ビギナーの最初の1冊としては最適だと感じます。

毎日価格だけ見て消耗するだけではつまらない…
その本質を知る第1歩として読んでみてはいかがでしょうか。それでは

書評
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