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経営陣や人事部の『残業減らせ』がサービス残業を増やす悪循環【ブラック企業体験談】

コラム
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まったくだ!

 

今日はこのニュースをピックアップして体験談を書かせていただきます。

 

以前、こんな記事を読みました。

忙しいプロジェクトを終わらせた後に、率先的に定時退社していったとのこと。素晴らしい試み(試みではなく当たり前になると良いですが)だと思います。

僕は転職を経験しており、今は(勤務時間的には)労働環境が整った場所で働けています。しかし、以前はサービス残業が当たり前、罵倒上等の環境で働いていました。

定時退社の記事では、上手にタスク管理できたようですが、過重労働が当たり前となっている会社も多くあります。

僕自身、終業後に、

『今、時間あるよね?』

と言われて当日〆の業務が降ってくる事も多々ありました。 

ブラック企業、過重労働経験者の方の記事はネット上にも溢れています。

 

過重労働がメディアでも大きく取り上げられるようになり、残業削減が企業の大きなテーマとなっています。『ブラック企業大賞』なんてイベントが開催されたり、厚労省も注意勧告を複数回受けた企業の公表に乗り出しています。

 

さて、こういう時に言われるのが、

 

『あなたの部署は残業時間が多すぎる』

 

 

『もっと残業時間を減らしなさい』

 

ですね。

この命令の出処は経営陣だったり、人事部だったり、あるいは直属の上司かもしれません。

皆さんも言われた事無いですか?

『無茶言うなよ…』

と何度思った事か…。

 

残業時間削減のため、業務負荷の再検討や、効率的な組織づくりなどに繋がれば良いのですが、大抵は頭ごなしに『残業減らせ』と言われるだけでしょう。

そういった取り組みが出来る組織は最初から取り組んでいるはずですからね。

 

今日は、こう言った無責任な

『残業減らせ』

が社員を追い詰める原因を、僕のエピソードとともに書いていきます。

【目次】

残業時間が増えるプロセス

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以前、僕が所属していた会社では深夜まで働くのが当たり前でした。

当時の会社の就業時間は8:30〜17:00でしたが、終バスが21:00過ぎ*1だったので、基本的に21:00を定時だと思って働いていました。

 

21:00を過ぎるとバスが無くなるので駅まで歩かないといけないのですが…

定時(21:00)に帰ると『お前まだ余裕そうだな』と新しい仕事が増えていきます。

毎日遅くまで残って仕事をしていると、『効率が悪い』という判断で新しい仕事が増えます。

大量の仕事を死に物狂いでこなしていると、『仕事が出来るな(^^)』という判断で新しい仕事が増えます。

 

頑張っても頑張らなくても仕事は増えますし、頑張らないと罵倒された上で仕事が増えます。最終的には皆頑張ることを選びます。

頑張れない人は脱落し、不本意な部署へ異動するか、転職していくか、精神を病んで退職していきます。

残った人は精神的にも肉体的にも優秀な人間が揃っていましたが、人間性は荒んでいきました。

 

僕は研究職でしたが、大量の研究テーマをこなした部署は経営陣に評価され、上司の評価は上がり、さらに大量の仕事が任されるようになります。

僕は転職したので、現在どうなっているか知りませんが、この悪循環が今も続いてるとしたら…

 

『残業時間を減らせ』の闇は深い

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残業をつけなければ良いんですね…?

定時が21:00と言いましたが、これはブラックジョークで、この時点で普通にサービス残業4時間です。

平均23時に帰るとすると、毎日の残業時間は6時間、月20日間勤務としてしっかり残業をつけると月の残業時間はざっくり120時間となります。

もちろん、全部申請するわけにはいきません。

 

当時は”空気を読んで”、毎月5〜10時間程残業を申請していました。100時間以上はサービス残業となります。

仕事を始めて先輩に最初に言われたのが、

『残業10時間超えると人事に怒られるから注意してね』

だったためです。

 

労務管理に厳しい経営陣や人事部は、現場の労働環境を把握できていません。

誰かが勇気を出して直談判できれば良かったのですが、体力も気力もありませんでした。

結果として、無責任な

『あなたの部署は残業時間が多いので、削減努力をして下さい』

というセリフが上司に飛んできます。

 

全員が限界まで仕事をこなしています。

”本来の”定時に帰るには、今の研究テーマを減らすか、即戦力の人材を10人以上採用するしかありません。

上司や経営陣がそんな判断をするわけもなく、直属の上司の決断は、

『10時間以上残業を つ け な い ように』

でした。

 

現場の状況把握やタスクマネジメントを中途半端にしたまま、数字だけで判断されて残業の削減を命じられた結果、末端の人間に降ってきたのは『サービス残業』だったのです。

 

当初は、

『仕事した分ちゃんと残業つけるんだぞ!』

と言っていた穏やかなグループリーダーが、ある日を境に

『…ちょっと月初から残業つけすぎじゃないか…?』

と言うようになった時、下の人間達は何が起こったのかを悟ったのです。 

 

残業時間のごまかし方セレクション!

さて、当時の会社はカードキーで勤務時間を管理していました。

退勤時にカードを通すと、それが就業時刻として登録されてします。

 

それでは我々がどのように残業時間をごまかしていたのか…

ベストセレクションでお送りします!

 

理由:自己啓発のため

カードキーで登録された退勤時刻は、理由があれば月末に修正できます。

”この時間は仕事以外の作業をしています”と申請するのです。

社内研修でマネジメントやマーケティング等のWEB学習を受けられたので、その勉強のためなら勤務時間外でも残って良かったのです。

 

結果として、

17:00業務終了、23:00退勤(自己啓発のため)

で公に6時間サービス残業することができました\(^o^)/

 

本当に毎日6時間も自己啓発してたら色んな資格が取れそうですね!(取ってない)

 

カードキーを通した後に仕事する

しかし、自己啓発ばかり申請していても、

『お前の部署どんだけ自己啓発すんねん』

という指摘が入ります(当たり前だ)。

 

当時の会社にはザルな部分があって、実験棟はカードキーによる出退勤チェックを介さないで出入り出来たのです。

そのため、定時を過ぎたら事務作業が中心の本棟の出口でカードキーを通して退勤時間を登録し、定時後は実験棟で仕事に取り組む。システム上はすでに存在しない人間なので、好きなだけサービス残業できます。

 

基本的には自己啓発でごまかしていましたが、サービス残業にもバリエーションを持たせないと怪しまれるのです。

 

『忘れ物を取りに来ました』(休日出勤)

土日祝は基本的に守衛さん以外は会社にいません。

静かな環境で集中して業務に取り組めます。事務作業が捗りますね。

自宅で出来る作業は持ち帰りでやりますが、会社じゃないと出来ない作業も多いです。

しかし、無断で休日出勤するともちろん怒られます!

そんな時は守衛さんに

『すいません!忘れ物したので通してください!』

と社員証を見せれば出勤管理をすり抜けて会社に入れました。

 

さすがに一日中いると怪しまれますが、

『すみません、少し用事出来たのでしばらくいますー!』

と連絡すれば全く問題ありません。守衛さんは労務管理なんて関係ないですからね。

帰りも守衛さん経由で帰れば完全犯罪…もとい完璧なサービス残業の完成です。会社にいた形跡は残さずに帰ります。

 

おわりに

アホらしいことを書いていきましたが、今見返してもおかしな話です。

 

残業の削減など、労働環境の適正化は素晴らしい試みですが、場合によっては一度根付いた風習を変えたり、業務負荷を大幅に変更する必要があります。

業務管理も出来ないまま『残業削減』を訴えても、下の人間の負荷がどんどん上がっていくだけ…。

そもそもしっかりと業務管理が出来る会社は最初からこんな状態にはならないですがね…。

 

”現場視点”の無い意見は混乱を招くだけ。

マネジメント側の立場になった今の自分にも言い聞かせていこうと思います。

 

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みるおか

*1:メーカーの研究所、工場は田舎にあることが多い