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大手食品メーカーへの就職&転職に必要な事を現役社員がまとめてみた

就職・転職
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僕は今の会社が3社目で、いずれも食品メーカーです。

食品業界って新卒、中途問わず人気の業種なんですよ。

  • 安定感がある
  • 食品が好き、開発が面白そう
  • 知名度が高い会社が多い

等々、理由は様々ですが、非常に採用倍率の高い業種です。

 

僕は技術系職種で基礎研究、応用研究、生産管理、商品開発と器用貧乏に幅広く携わってきましたが、それぞれの職種で欲している人材は違いました。

僕自身も中堅社員になり採用にも携わっているので、受験者と採用担当者、両者の感覚は掴めていると感じています。

 

今日は人気の食品業界で働きたい人に向けて、大手食品メーカーへの就職、転職に必要な事を伝えていきたいとおもいます。

スキルから学歴まで綺麗事抜きにして解説していきますね。

【目次】

食品業界で働くということ

食品業界の安定性?

『食品業界は安定している』 

非常に多い意見です。

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参考:平成26年度法人企業統計調査結果(財務省)

 

グラフは国内における食品製造業全体の売上高営業利益率の推移です。売上高に若干の変動はありますが、2.5%前後の安定した利益率で推移しています。比較対象として石油・石炭製造業も併記してあります。

食品メーカーと同様に、日用品・生活必需品を扱う化学メーカー等も全体としては変動が少ない業界と言えます。

 

しかし、『安定』と言うには少し語弊があります。

食品メーカー、特に定番品を扱っている大手食品メーカーは、

『劇的な成長は難しいけど、業績の急降下も少ない』

が実情ですね。売り上げを国内に依存しているメーカーほどその傾向は顕著ですが、異物混入等で信頼を失えば業績が急降下することも十分考えられます。

 

業界動向の話は長くなるので割愛しますが、人口減少が著しい日本では、市場は徐々にシュリンクしています。市場拡大中の途上国へ進出している大手企業は成長が期待できますが、国内事業のみの食品メーカーは厳しい将来が想定されます。

 

食品業界の良いところは?

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食品メーカーで商品開発をしている僕に起こった変化10選!という記事も書いていますが、食品メーカーの魅力は業界全体の安定性や成長性よりも、やはり業務内容そのものだと思うんですよね。食品メーカーの中の人視点です。

(むしろ”安定してるから”が理由でこの業界に来る人は苦労しそう…)

 

食品メーカーの醍醐味は『1つの商品に対して個人業務が与える影響が大きい』ことだと考えています。わかりづらい表現で申し訳有りません。

食品メーカーの場合、1人が複数商品の開発や営業を担うことが多いです。

言い換えれば1つの商品を1人で開発することも珍しくありません。

それが実際に店頭に並ぶ(BtoCの場合)わけですから、あれは私が作った、売ったと実感する機会は非常に多いと思いますよ。

 

需要が伸びるアジア圏を中心に海外進出している企業も多いですし、機能性食品や介護職など、社会貢献という意味でも重要な産業です。

娯楽や機械化といった、生活を快適にする産業に対して、食品業界は無いと生活そのものが成り立たない産業です。

 

このような観点からキャリアを重ねていきたい人におすすめしたい業界ですね。

 

【学生向け】食品業界と新卒採用

食品メーカーと学歴

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食品メーカーは5大商社や金融ほど学歴に厳しくは無いですが、特に技術系職種においては大学名がモノを言う世界です。職種ごとに分けて解説していきます。

営業は学歴関係ない?

四季報を確認すると、大手食品メーカー…例えば明治HDや味の素、ビール会社等の事務系職種(営業や企画、マーケティング等)は中堅私立大学(日東駒専、MARCH、関関同立)でも採用実績を確認できます。

もちろん高学歴は有利に働きますが、やはりコミュニケーション能力体育会大学での経験等、新卒採用においてメジャーな項目が明暗を分ける事が多いでしょう。

業界人としての感覚では、

  • ビール会社:体育会、グローバル
  • 味の素、乳製品:インテリ
  • 製菓:クリエイティブ
  • 食品素材:堅実、協調性

が好まれる印象を抱いています。

 

技術系(研究・商品開発)は学歴差別が強い!

技術系職種の倍率

就職難の嵐!それでもバイオ系に進学する?悲惨な実情とは という記事でも書いていますが、食品メーカー技術系の募集枠は狭き門です。

農学バイオ系を専攻する学生が多くなりますが、『日本の企業の専門別研究者数割合(文部科学省)』を見ると…

  • 電気・通信系:26.6%
  • 化学系:9.7%
  • 農学系:2.9%
  • バイオ系:1.3%

となっています。

 

実際に2017年度の会社四季報で技術系職種の採用実績を確認すると…

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【※】会社四季報の採用実績(2015.4入社社員の実績)で回答があった企業から抜粋

表の事務系は営業、企画、マーケティング等を、技術系は研究、開発、生産等の採用実績を合算したものです。大手メーカーを抜粋しただけであり、これで全体の傾向が確認できるわけではありませんが、食品メーカーの技術系職種は他職種と比較して募集人数は少なくなっていますね。

この記事では実際に企業で採用担当に携わる方の意見が書かれています。

特に研究職、商品開発職の採用では『頭の良さ』『専門知識』がダイレクトに聞いてきます。私自身も学歴逆差別に関する記事で就活に言及していますが、技術系職種では『判断基準』として学歴が重要な指標になっているのです。

子供にバイオを学ばせる前に、親が絶対に考えるべき7つのことでも書いていますが、大手食品メーカーの技術系新卒採用では旧帝大院卒という肩書きが最強の武器であることに揺るぎありません。

 

就職に強い専攻は?ーおすすめ学部、学科

機械系は生産現場での需要が大きいですが、食品業界に限ったことではありません。

研究、商品開発に絞ると、食品科学分析科学は専門性がダイレクトに活かせるのでさすがに強いです。

農芸化学は食品、衛生の単位が多いですし、生物工学はバイオと生物が学べる珍しい専攻なので、研究から生産まで対応できる隠れ優良専攻と言えます。微生物学も受けが良い学問ですね。

 

『研究室の強さ』と『学内推薦』

機械・電気系と違い、食品メーカーの推薦は旧帝大でも非常に少ないです。あっても書類専攻免除くらいの緩い推薦がほとんどです(実体験)。

但し、教授が独自のコネクションを持っている研究室はありますし、研究室のHPの就職実績等を見れば大体は推測できます。MARCHレベルから味の素レベルの大手メーカー研究職に決まる人は首席で学内推薦を取ったり、何らかのコネクションを活用できた人しか知りません。企業と共同研究している研究室も狙い目ですね。 

 

食品メーカー技術系の新卒採用では『学歴』『専攻選び』『研究室、研究内容』の選定が重要です。こう見ると、皮肉にも就職活動は高校生から始まっているのかもしれません。

 

【転職者向け】食品業界と中途採用

転職は学歴より『社歴と実績』

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新卒採用でチャンスを逃した場合でも逆転のチャンスはあります。

僕は過去に”大手”に当たる食品メーカーの研究開発職として働いてきましたが、中途採用で来た人には日大生物資源東京農大クラスの大学出身の人も採用されていました。新卒採用ではこれらの大学からの採用実績はありませんでした。

 

理由は簡単。新卒で入社した食品メーカーでスキルを磨き、実績を上げてきた人材だからです。

中途採用の市場では、学歴が見られることはありますが、それよりも社歴と実績が重要です。

『社歴』に関しては、大企業のネームバリューに限らず、中小でも業界で存在感があったり、独自の商品、技術を持っている企業での在籍経験は転職市場では非常に有効です。

また、新卒では学歴で足切りされるような企業にステップアップするには、やはり実績を積み上げること。冒頭の中途採用者は中小企業で実績を上げて大企業にやってきました。

食品業界はあまり転職が活発な業界ではないですが、20代〜30代前半(またはマネージャークラス)では、大手食品メーカーでも職種問わず中途採用求人は多いのです。経験者談として…

 

技術系の中途採用は二極化

スペシャリストを求める職種

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転職活動を経験して、様々な求人に目を通しましたが『基礎研究』求人の幅がとても狭いです。

この職種で中途採用に求められるのは、紛れもなく即戦力です。実験スキルや研究成果まで完全に合致している人材でない限り採用される事はまずありません。

 

僕自身、研究から開発、生産まで幅広く携わり、食品メーカーの転職市場ではある程度通用するスキルを習得していると自負していますが、基礎研究には二度と戻れないでしょう。

最新の知識、研究のトレンド、実験機器の発展に触れていないと戦えない職種です。

反面、ベンチャーや中小企業勤務からでも、スキルが合致していれば大手からスカウトが来るチャンスは十二分にある職種です。

 

ゼネラリストを求める職種

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基礎研究職以外は、相応のスキルがある前提で、幅広い業務経験は確実に評価されます。研究でキャリアアップするならさっさと工場に異動すべき!という記事でも言及しています。

 

応用研究であれば、中途採用で来る人間の視点(自社製品以外の科学知識、製造ラインへの導入経験等)が大いに役立ちます。

食品の商品開発素材から最終製品までトータルの知識が求められます。例えば、最終製品メーカーでは素材開発の知識、素材メーカーでは最終製品までの加工知識は、プロパー社員よりも中途採用で経験者を採用したほうが効率的です。自社に不足している人材を中途採用に求めるわけですから、類似業界以外の知識・スキルが求められる場合もあるのです。

生産技術、生産管理に関しても同様です。工場の組み立て方は企業ごとに全く違うので、他社のエンジニアの視点、知識によってプラント設計の幅は一気に広がりますね。

 

登録必須!おすすめ転職サイト、転職エージェント

最後に、僕が転職活動中に利用した転職サイト、転職エージェントのうち、食品業界に強いと感じたサービスを紹介します。

転職者は『商品』である!転職エージェントとの付き合い方という記事にも書いた通り、転職エージェントは大手企業での正社員採用においては必須のツールです。

 

リクナビNEXT

転職活動には必須のサービスです。

新卒採用のリクナビに似ており、企業情報や転職のコツといった情報コンテンツも豊富です。

スカウトメールの受信設定はON/OFFの切り替えが出来ます。転職を考え始めたら、まずは情報収集を行い、機が熟したらスカウトをONにして本格的に転職活動するなど、柔軟に対応できるツールです。

転職エージェントが持つ求人数には劣りますが、大手ビールメーカー大手乳製品メーカー技術系の求人も定期的に上がってきます。

DODAやマイナビ転職も転職情報が豊富ですが、情報量、公開求人数、使いやすさはリクナビNEXTがズバ抜けていますよ。

 

リクルートエージェント

実績No.1に間違いなく、非公開求人数が最も多い転職エージェントです。 

転職エージェントには会社ごとに違う独自サービスで差別化されていますが、他社のエージェントにあり、リクナビエージェントに無い求人はほとんどありませんでした。

デメリットを挙げると1人のエージェントが抱える顧客が多いので、他のエージェントより情報共有が遅れる傾向にあると感じました。

しかし圧倒的な非公開求人数は魅力…転職エージェントを1社だけ選ぶならリクルートエージェントが結論です。

 

DODA(インテリジェンス)

DODAは転職サイトと転職エージェントのサービスが連携しています。

転職サイトに関しては正直リクナビNEXTに大きく劣りますが、転職エージェントは非常に優秀!

業界ごとに専門知識を持つエージェントを配置しているので、提示される求人の合致性が非常に高いのです。またリクルートエージェントと比較して非公開求人数は劣りますが、対顧客人数のエージェント人数が多いため、連絡が密に来ると同時に、求人の提示や相談も素早く対応してくれます。

リクルートエージェントとインテリジェンスの併用が最強でしょう。

 

おわりに

食品業界のリクルート事情を幅広く解説いたしました。

安定した人気を持ち、特に生物系の学部では非常に高い人気を持つ食品メーカー。

新卒、中途ともに狭き門ですが、新卒で夢破れたからといって逆転のチャンスが無いわけではありません。ただし、それには実績や知識習得に妥協しないことが重要です。

理想のキャリアを実現するためにも、先手先手で計画&実行していきたいですね。

 

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みるおか