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ニセ科学にことごとく騙される人に共通する『致命的な特徴』とは

その他学問
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酵素ドリンク、コラーゲンといった健康食品、マイナスイオンやゲルマニウムなど、実体の無いキーワードが出ては消えていきます。最近はホメオパシーという頭の悪い概念も話題になりました。

ある程度の判断力がある人は、まずこれらのフレーズを疑って距離をおきます。『遊び』程度に試し買いしてみる人もいますね。
しかし、中にはこういったキーワードを盲信し、高い金を無意味に消費している人たちもいます。

ニセ科学を客観的に判断できる人と、ことごとく引っかかってしまう人の差は何でしょうか。

偏ったデータや誇大広告による印象操作に騙され無いためには、たった1つのキーワードを意識すれば良いのです。

今回は、ニセ科学やニセ健康食品に騙されないための『考え方』について解説していきます。

『ウソではない』データに騙されないために

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【過去記事】

 

健康食品関連の過去記事でも書いていますが、ニセ科学には2通りの宣伝方法があります。

  1. 全く裏付けのない『ウソのデータ』で消費者を騙す
  2. 誇張した『ウソではないデータ』によって大きく見せる

 1.『ウソのデータ』に関しては非常に悪質なのですが、問題は2.『ウソではないデータ』を大きく見せることで、消費者に特別な効果を持つかのようにアピールしている場合です。
そして、多くの健康食品、ニセ科学はこの”ウソではない”を利用して、取り締まりを回避しています。 

例えば、関連記事にも書いた『酵素ドリンク』について…。

  • 天然の野菜由来の酵素を大量に含む栄養満点のドリンクで健康的ダイエット

こういったPRフレーズがメジャーです。
あたかも酵素ドリンクが特別な効果を持っている『かのように』書かれています。
これらも捉え方によっては”ウソではない”のです。

赤字の部分を掘り下げてみると…

  • 『天然の野菜』
    そもそも”人工の野菜”とは…?昨今は無農薬の野菜も特に珍しくありません。
  • 『酵素を大量に含む』
    動植物微生物に関わらず、生物の細胞には例外なく数百〜数千以上の酵素が含まれています。
  • 『栄養満点』
    各栄養素+食物をバランスよく含むという面では、通常の野菜ジュースや豆製品、カロリーメイトなどは全て栄養満点です
  • 『健康的に』
    低脂質の食品には多用されるフレーズです。国が定めた殺菌等の条件を満たすことを”安全”とすれば、あらゆる食品に適用できます。
  • 『ダイエット』
    (※日々の生活習慣も併せて改善した結果です。)運動しろバーカ!

他の食品でも成り立つようなフレーズだとしても、前面に出すことによって『その商品にしか当てはまらない特別な効果』のように消費者は感じてしまうのです。

例えば、マイナスイオンだって人体には必須のイオンですし、岩盤浴に行けば『汗をかく』という日常的な生理現象によってデトックス(笑)できます。
水分不足の人は、水を飲むだけで”血液サラサラ”にはなりますし、”神経質なところがある”A型の性格はほとんどの人間に当てはまります。

 

こういったフレーズをことごとく信じて舞い上がっている人たちは、致命的に『ある考え方』が欠けています。

 

騙される人は『比較』ができていない

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いちいちニセ科学に振り回される人は『比較』という概念が抜けています。 

前章で取り上げた酵素ドリンクを例に挙げると、

  • その効果は他の食品よりも優れているのか?
  • その効果は酵素ドリンクだけにしか当てはまらないのか?

といった観点で見れば、大した食品ではないことがわかります。

私たちが普段摂取している野菜、肉、植物油、発酵食品には、アピールされていないだけで『明確で定量的な健康効果』が既に示されていることも忘れてはいけません。日体大などのスポーツ科学分野が示している『運動と健康』に関する論文も見た方が良いかもしれませんね。
ブームとなっているニセ科学とは量・質が違います。

ある程度の知識や興味がない分野だと、『比較』をおろそかにしがちです。

例えば、ネットサーフィンしかしないような人間が、PCのわずかなスペック差に異常に拘ったり、わずか5円の値下げ品を目指して、わざわざ遠くのスーパーに買い物に行く人もいます。

そういう人に限って”特別でもなんでもない”健康食品に高い金を出していることも少なくありません。

 

”フレーズに騙される人”は視野が狭く、そのキーワードしか見えていません。

大切なのは、そのフレーズ、その商品が”全体から見てどの位置にいるか”を見分ける能力です。

 

『基準』を設定できれば誰でも研究者になれる

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僕が大学院で研究していた頃、担当の教授に言われたセリフが印象に残っています。

 

『研究者なんて、ネガコンとポジコンを設定できれば誰でもなれるんだ!』 

 

ネガコンとは、ネガティブコントロールの略です。
そのデータが”他と比べて優れてないこと”を示すために必要な基準データです。
例えば、医薬品の治験では、一部の人には効果のない”偽薬”を摂取します。いわゆる”プラセボ”群です。
この集団と変わりなければ、その医薬品は”特別な効果がない”ことを示します。

ポジコンはポジティブコントロールの略です。
ネガコンとは逆に、”効果があること”を示す基準です。
医薬品の治験で、すでに効果があるとわかっている既存薬を投与した集団を設けたとします。新薬が、この集団と同じ治癒効果を示した場合、”ポジティブな効果がある”ことの証明になります。

このネガコンとポジコンを組み合わせたデータを積み重ねないと『特別な効果を持つ』ことは証明できません。

 

この考え方は研究に限ったことではないですし、特別な知識は必要ありません。
ただ、この”概念”さえ押さえておけば、

 

『なんと50の栄養素を含みます』

 

というフレーズに何の意味もないことがわかるはずです。
 

おわりに

基本的に企業は、自社の商品を売るために『商品が一番よく見える』フレーズで宣伝します。
売る側から見れば当たり前のことですね。
僕自身、科学記事やレビュー記事を書く時は、常に比較しながら書いているつもりですが、『立ち位置』を明確にすると、少なからずバイアスがかかってしまいます。

『提供される側』が必要なのは、

  • そのフレーズに『ウソ』はないのか?
  • そのデータは『特別』なのか?
  • そのデータは『一部』を切り取っただけではないか?
  • 実は『日常』に起こっていることではないか?
  • そのフレーズ以外の要素は関係ないのか?
  • 他『よりも』優れているのか?
  • ポジティブな効果『しか』ないのか?

という『比較』の概念を持つことです。

データや広告には、様々な背景があります。
疑うというより、『視野を広げて』判断することが重要です。

 

ニセ科学にことごとく騙される人に共通する”たった1つの”特徴でした。